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ついにV8搭載の「ディフェンダー」が登場! 電動化のご時世、大排気量ランドローバーは買うべき?

ディフェンダーとして日本初導入となる5L V8スーパーチャージドエンジンを搭載した「V8」と「カルパチアンエディション」を導入。なお、両グレード共に2024年モデル限定となる(C)Jaguar Land Rover Japan

ディフェンダー最上級モデルが登場

ディフェンダーとして日本初導入となる5リッター V8スーパーチャージドエンジン搭載モデルが2024年モデルに設定されました。「本格オフローダー×V8エンジン」というクルマ好きを惹きつけてやまないモデルの魅力をお伝えします。

ラグジュアリーなV8を“ブランドアイコン”に投入

ランドローバー「ディフェンダー」の2024年モデルとして5L V型8気筒スーパーチャージドエンジンを搭載した最上級モデルが登場した。

ランドローバーのラインナップは今3つのブランドに分類される。ラグジュアリー、洗練性を打ち出す「レンジローバー」、デュアルパーパス、頑強性の「ディフェンダー」、レジャー、多用途性の「ディスカバリー」とメーカーはうたう。

なかでもディフェンダーは、1940年代のランドローバーシリーズ I の系譜を受け継ぐランドローバーの歴史を体現するモデルだ。2021年に現行型がデビューして以来、世界的な人気を誇る、メルセデス・ベンツ「Gクラス」やジープ「ラングラー」と同様にブランドのアイコン的な存在といえるものだ。

そしてランドローバーは屈強なイメージのオフロードカーに、ラグジュアリーなV8エンジンを組み合わせるという手法を1970年代後半から取り入れてきた。現行ディフェンダーにも満を持しての投入というわけだ。

ランドローバー ディフェンダー 110 V8

パワートレインは、最高出力525ps、最大トルク625Nmを発生する5L V8スーパーチャージドエンジンに8速ATを組み合わせる。ショートホイールベースの3ドアモデル「90」と5ドアモデル「110」の両方に設定され、グレード名はシンプルに「V8」である。

エクステリアには、これみよがしな装飾はない。22インチの大径アルミホイールを装着し、その奥にはブラックに塗装されたブレンボ製のブレーキキャリパーがのぞく。リアまわりをみると、ランドローバーの象徴であるグリーンのオーバルバッジも省かれ、エキゾーストパイプが4本出しになっている。V8のエンブレムはボディサイドにさり気なく配されているだけだ。

インテリアは、スエードクロスのステアリングやレザーと人工スエードのダイナミカを組み合わせた表皮のシートなど、最上級グレードにふさわしい仕立て。シートに腰掛けると着座位置が高く、視界はとても良好だ。シフトレバーはダッシュボード上に配置されており、左手をのばせばちょうどいい位置にあって操作しやすい。

いまのうちに味わっておくべきV8テイスト

Dレンジに入れて走りだすと、即座に大トルクが立ち上がりV8の恩恵を感じる。低回転域で走っていると静粛性高くまるでラグジュアリーカーのように、そしてアクセルペダルに力を込めるとしっかりとV8サウンドが聞こえてきて、スポーティな雰囲気も味わえる。

現行型はラダーフレームをやめてモノコックボディを採用し4輪独立懸架となったこともあって、かつてのトラックのような乗り味は皆無。エアサスペンションの効果も絶大で、大きな段差を乗り越えたときのショックもうまくいなし、乗り心地はとても良好だ。そして独自のエレクトロニック・アクティブ・リア・ディファレンシャルにはヨー・コントローラーも採用されており、コーナーでも意外なほどにスポーティな走りをみせる。

悪路のシーン別に最適制御

今回の試乗で試すシーンはなかったが、ランドローバーの専売特許である走行モードシステム「テレインレスポンス2」が備わる。V8専用のセッティングとなっておりオンロードをはじめ「草地/砂利/雪」「泥/轍」「砂地」といった悪路のシーン別に最適制御してくれる。

またフロントとミラー内蔵のカメラ映像を合成してつくり出す「クリアサイトグラウンドビュー」は、通常はドライバーの死角となるボンネットをシースルーしたような映像をモニターに映し出してくれため路肩や段差、障害物の確認など、オフロードや市街地でもとても役に立つ。センターモニターにはこれ以外にも前後左右の傾斜角(スロープアシスト)やリアルタイムの駆動状況などを表示することも可能だ。

メルセデスAMG G63をみてもわかるように、本格オフローダー×V8エンジンの組み合わせには、クルマ好きをひきつけてやまない抗し難い魅力がある。しかし、その一方で自動車メーカーには電動化の波に抗うことは難しいという現実がある。ランドローバーも2030年までには完全な電動化という戦略を打ち出しており、こうしたV8エンジン搭載車に残された時間はそれほど長くないだろう。いまのうちに味わっておく価値は十分にある。

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