W124を愛するクラブの全国オフ会がトヨタ博物館で開催
メルセデス・ベンツ「W124」をこよなく愛するオーナーたちのクラブ「W124-CLUB-JAPAN」が主催する、年に一度のビックイベントが全国オフ会。2023年は愛知県長久手市のトヨタ博物館を会場として12月10日(日)に開催されました。総勢40台以上の参加で、セダン、ステーションワゴン、クーペ、カブリオレの全てのモデルがエントリーしていた中から、今回は練馬2桁ナンバーのW124を紹介しましょう。内外装の手入れが行き届いているこのクルマはオーナーがお父様から引き継いだもので、クラブのメンバーのおかげで廃車にならず、大事な相棒になっています。
1993年式280Eは1年だけの希少な過渡期モデル
W124-CLUB-JAPANの全国オフ会には沢山のメルセデス・ベンツW124が集合したが、初年度登録からすでに30年前後も経過しているクルマなので、複数オーナーに愛されてきた個体が多い。そんな中でも2桁ナンバーは、地名の後に振ってある類別番号が現在は3桁なので、一部のマニアの間では羨望の対象となっている。陸運支局が同じ管轄の場合は引き継ぐ事もできるが、大抵の場合は地名が変わってしまうので引き継ぐことが難しいのだ。
渡辺昭裕さん所有の練馬2桁ナンバーの1993年式「280E」は、W124にとっては過渡期のクルマである。翌年からのモデルはフェイスリフトされ後期モデルとなるのだが、この1993年式はエンジンや制御は後期モデルと同様で外装は中期モデルという、たった1年しか製造されなかったW124の中でも希少な年式のモデルとなる。
父から引き継いだ直後は特に愛情もなかったが……
お父様が4年前にお亡くなりになり、新車から使用されていたこの280Eを引き継いだのだが、屋外保管であったために、内装のウッドパネルや外装の塗装クリア層はひび割れしていた。
「このクルマは自分の経営する会社の社用車でもあったのですが、自分のクルマではないという認識で距離を置いていました。自身で乗った距離もせいぜい3万kmくらいで、それほど愛情もなく、当初はいずれ処分しようと思っていたんです」
エンジンやトランスミッションなどの機関は正規ディーラーで定期点検、車検、予防整備を継続していたので、引き継いだ状態でも過不足ない状態だった。
オーナークラブを通じW124の魅力に開眼してリフレッシュ
そんな渡辺さんがW124の虜になってしまったのは、W124-CLUB-JAPANに入会してみて情熱的なオーナーさんたちに出会ってから。その魅力を再認識してW124が大好きになってきてしまったのだそうだ。
自ら所有している280Eのアラが気になってきて鈑金塗装工場に外装の修理を頼み、全塗装ではなく傷んだ部位のみ補修する部分塗装を行い、上手にコストを節約しながらボディがよみがえってきた。ボディが復活したら、新品部品が在庫されていたので左右で20万円オーバーのヘッドライトを惜しみなく装着。グリルまわりも新品にして仕上げ、傷んだウォールナットパネルも、木曽漆器を塗る職人の工場で修理をしてもらって往時の美しさを取り戻した。
渡辺さんの280Eは右ハンドル車でフロントシートも傷んでしまっていたが、左ハンドルのクラブの方の部品取りから譲ってもらって、シャキッとした内装に戻ってきた。仕上げている最中にフロントガラスの隙間のサビから雨漏りをしたりと、ひと通りの苦労をされたようだ。
「今では、純正のテクニクスのカセットデッキで80年代の音楽を聴きながら、週末に奥さんとコストコまで買い物に行ったり、テニスをプレイしに行くアシにも使っています」
新車から30年たった今でも、お父様から受け継いだW124を家族の相棒として愛用している渡辺さんだった。