張り出したフェンダーが往年の5ターボを彷彿させる
エクステリアを見ていくと、ボリュームのあるフェンダーはもちろん、パネル全体の造形に厚みが増しているのがわかる。リアに目を移すと、張り出したフェンダーが往年の5ターボを彷彿させる。テールランプのフチにはカーボン製のエアダクトが設けられており、熱対策にも抜かりがない。なお、マフラーはトゥインゴGT用を採用。ホイールもトゥインゴGT専用デザインの17インチ装着していた。
製作期間は、「セラヴィ105」の隣に展示されていたブルーの「セラヴィ105マキシ」との同時進行で2023年5月より製作を開始。スタートこそ早かったものの、実際の作業ではいろんな意見が飛び交い、クリスマス、年末、お正月返上で作業に取り組んだそうだが、オートサロンが始まる1週間前に造形の作り直しなども行い、11日の正午に塗装が上がり、乾かしながら搬入という恐ろしいスピード感で仕上げたという。
製作にあたり、最も苦労したのはいかに自然に見せるかというところで、物足りなさとやり過ぎの中間のバランスで作り上げることが大変だったそう。このモデルは、今後少量生産していく予定であり、部品のフィッティングをさらに煮詰め、高いクオリティでボディキットを作り上げるのがこれからの課題とのこと。
すでに取材した1月12日時点で11台のオーダーが入っていた。 展示されていたモデルのフォグランプには、「ハタノ」のロゴが切削加工で施されていたが、こちらについては量産車に組み込むかは検討中のようで、加工の有無は購入者の希望に合わせて好きな仕様を選べるようにしたいと考えているそうだ。
ちなみにボディカラーは基本はベースに合わせて行うとのこと。オールペンする際は、カラー見本から色を選択し、他の車両とカブりが無いよう先着順となっているようだ。
インテリアはノーマルのままだが、セラヴィ105の隣に並んでいた「セラヴィ105 マキシ」の内装に採用されている、フランスのコンプリートカーを販売するRAVAGE(ラヴァージュ)とのコラボシートを希望する方には、もちろん取り付け対応してくれるとのこと。気になる方は問い合わせをしていただきたい。
「妥協せずに作り上げたので、やり切った感もありますし、やって良かったなって思っています。命を削る思いで作り上げましたね(笑)」
とお話を伺ったデザイン担当者は語った。
今後は、トラクションコントロールOFFコーディングやマエカワエンジニアリング製強化エンジンマウント、T.M.ワークスによる140psキットなどサーキットで遊び尽くせるオプションも拡充していく予定だ。 前述のように、セラヴィ105のセラヴィとはフランス語で「C’est la vie(それが人生だ!)」の意味を持つ。赤い小さき相棒で、人生を華やかに遊び尽くしてはみてはいかがだろうか。
セラヴィ105の販売価格などについては取材現場では発表されなかったが、日本限定のスタイリングなだけに値が張ることは間違いないだろう。仲間と作り上げて完成したセラヴィ105は、畑野自動車が示す「人生そのもの」なのかもしれない。