免許返納した祖父のW124を孫が引き継いで普段乗り
1985年デビューとすでに40年近くが経過しているにもかかわらず、今なお根強いファンが多く名車という評価を集めているのがメルセデス・ベンツ「W124」の初代「Eクラス」です。そんなW124をこよなく愛するオーナーが集う「W124-CLUB-JAPAN」が主催する、年に一度のビックイベントが全国オフ会。2023年は愛知県のトヨタ博物館を会場として12月10日に開催されました。総勢40台以上がエントリーしていた中から、今回は珍しい「沖縄33」ナンバーで参加していたオーナーに話を聞いてみました。
沖縄を走っていたのにグッドコンディションを保つ理由は?
愛知県にあるトヨタ博物館で開催されたイベントにもかかわらず、海の向こうの沖縄ナンバー。しかも当時を思わせる分類番号「33」が目を惹く「E280」は、諸見里 誠さんが首都圏で普段から使用しているW124だった。
話を聞くと諸見里さんの祖父が1995年に新車で購入したもので、ご本人が免許を返納して運転を辞めたため廃車にする、との話を聞いてそれはもったいないということで引き取って現在に至っているとのこと。
沖縄で走っていた個体と聞くと潮風の影響でサビが発生しやすいイメージがあるが、諸見里さんのW124は、沖縄の強い日差しの影響か塗装面に焼けは見られるものの、サビや腐食とは無縁のように見える。
「祖父が所有していた時代はガレージ保管だったので、それが影響しているのかもしれません。ただW124と同時期に購入した国産セダンはグズグズにサビてしまっていたところをみると、W124はドイツ車らしい分厚い鉄板と塗膜を持っているのかもしれませんね」
とのことで、このあたりはやはり、W124の魅力のひとつである堅牢な作りも大いに影響していることは間違いなさそうだ。
土に還るまで乗り続けたい
この個体を受け継いで2年ほど、およそ2万kmを走破した諸見里さんだが、運転しやすく疲れないW124にゾッコンのようで、譲り受けた後に手を入れたのは、オーディオをコンチネンタル製のTR7412に換装した程度で、「土に還るまで乗り続けたいですね」と話してくれた。
車両のほうも2年間でHFM(いわゆるECU)不調が発生した程度で、それも専門店の手によって修理されて好調を維持しているそうで、今後はサッコプレートなど外装のリフレッシュを実施しながら乗り続けていきたいとのことだ。