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オーナー歴38年、44万キロ(メーター2つ目)! ポルシェよりも経済的で暮らしに寄り添ったBMW「318i」を紹介します

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 長尾 循(NAGAO Jun)

多くのモデルに搭載されたM10エンジンを搭載

当日の参加車の中でも、そのさりげなさがむしろ目を引いたのがこちらの「318i」。オーナーは1954年生まれという野口 斉(ひとし)さんで、当日の参加者の中では比較的ベテラン組だ。

「それまではいすゞ 117クーペやベレット 1300を乗り継いできましたが、1986年に新車で購入したのがこの318iの前期型です。納車されたのがちょうど娘が生まれた年で、それ以来ずっと乗り続けています。M10エンジンの感触が気に入っていますね」

E30 3シリーズにも搭載されたM10エンジンは、BMWが1962年から生産を開始したSOHC直列4気筒ガソリン・エンジンで、デビュー以来4半世紀以上にわたって多くのモデルに搭載された名機として知られる。

「一時期はポルシェ 924に乗っていたこともあったのですが、やはりポルシェはパーツ代やメンテの費用がそれなりに高かったですね。BMWにしたのは、ポルシェに比べ経済的に有利だったということもあります」

とも話してくれた。

「スピードメーターは一度壊れて2つ目ですが、オドメーターは44万kmほどです。まだ現役で働いていた頃は通勤時にも使っていました。今は普段使いと、ときどきツーリングにも行きますね」

エアコンのガスを環境対応型に変えるなど、時代に即したアップデートは行っているものの基本的には全くのノーマルで、メンテナンスは当時のディーラー担当者だったメカニックが面倒を見てくれているという。

スポーティなイメージの強いBMWゆえ、旧くは3.5CSLや2002ターボ、そしてE30の世代ではM3など、ついつい役付きの俊足グレードに目が向きがちだが、それはもちろん日々の暮らしに寄り添った質実な実用セダンというベースがあってのこと。どこまでも自然体な野口さんの318iは、改めてそんなことを思い出させてくれる。

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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