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BMW E46「M3」からE30「320iカブリオレ」になぜ乗り換えたの?「吾唯足るを知る」ほどよいパワーの幸せな関係とは

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 長尾 循(NAGAO Jun)

シャシーファスターなキャラクターがお気に入り

地理的にも寒さが厳しく長い冬のドイツで生まれたオープン・モデルはカブリオレと呼ばれ、伝統的に耐候性に優れた幌を備えることで知られる。そんなカブリオレで当日のオフ会に参加したのは實方康介さん。モデルは1992年式のBMW「320iカブリオレ」だ。

「最初に乗ったBMWはE46 318でした。BMWのテイストが気に入り、その後E46のM3に乗り換えてしばらく乗り続けていました」

傍目には順調なステップアップにも思えるが、しかしなにゆえ現在は320iカブリオレに?

「このカブリオレを入手したのは2020年のことです。それまで乗っていたM3も良かったのですが、自分にとってはちょっと速すぎるな、と感じ始めるようになっていたところで、たまたまこの個体と出会ったのです。手に入れてからまだ1万km程度しか走っていませんが、この320iカブリオレに乗って感じたのはハンドリングの良さ、コーナーでの軽やかな挙動でした」

クルマの他、バイク乗りでもあるという實方さんだけに、オープンエアを感じながら程よいパワーをきっちりと使い切れるE30カブリオレのシャシーファスターなキャラクターがお気に入りとのこと。自分に相応しい趣味のクルマに出会うには、馬力や加速などのスペックとはまた別の次元で、自分なりの尺度を持つことが大切。金言「吾唯足るを知る」をクルマ趣味の世界で実践されている實方さんと320iカブリオレの幸せな関係であることが伝わった。

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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