高速道路の走り方【緊急事態編】
平穏に見える世の中も、じつは変化に富んでいて、意外に思わぬことが起きるもの。いつもの高速道路でのドライブでも、予期せぬアクシデントに遭うこともあるので、その対処法をいくつか解説します。
落下物を発見
落下物や路面の汚れなど道路の異状、道路の穴ぼこ・路肩の崩壊などの道路損傷を見かけた場合は、道路緊急ダイヤルで通報を。スマホで「#9910」をダイヤル後、自動音声ガイダンスにしたがって道路の管理者を選択すると、選択された道路の管理者につながる仕組みである。
24時間受け付けていて、高速道路に限らず、国土交通省が管理する国道、都市高速道路すべての道路で共通の電話番号となっている。ドライバーなら、スマホの電話帳に道路緊急ダイヤル「#9910」を登録しておいてもいいだろう。
高速で自転車・歩行者を発見
近年増えている、高速道路への歩行者や自転車等の立ち入り。首都高だけでも、年間400件程度の誤進入が発覚している(誤進入した人を保護した件数)。こうした歩行者や自転車、原付、電動キックボードなどの立ち入りを見かけたら、道路緊急ダイヤル「#9910」、もしくは110番へ通報すること。
料金所通過時にETCレーンのバーが開かない
ETCレーンでバーが開かないトラブルは、割と頻度が高い事案だ。対処法は入口と出口で違うので、下記の通りだと覚えておこう。
入口側でETCレーンのバーが開かない場合は、係員から通行券を受け取り、出口料金所では「ETC/一般」か「一般」の表示のあるレーンに入って、通行券とETCカードを係員に渡して精算する。出口側の料金所でETCレーンのバーが開かない場合は、その場で停車し、係員がやってくるまでそのまま待機。あとは係員の指示に従うこと。
ちなみに、開閉バーが開かない原因の約65%がETCカードの差し忘れや、差し込みが不完全なケース。カードの期限切れなどもあるので、高速道路を利用する前に、カードのチェックを忘れずに(SAやPAで休憩するときに、カードを抜き差しする人はとくに要注意)。
目的のインターチェンジを通り過ぎてしまった(行き先を間違えた)
うっかり出口を通り過ぎてしまった場合、その次のインターチェンジで降りて一般レーンに向かい、料金の精算前に料金所スタッフに事情を説明する。なおETCの利用者は、事前にETCカードをETC車載器から取り出したうえで、「一般」または「サポート」と表示のあるレーンに進入すること。あとは、料金所スタッフの指示に従えばOKだ。
一区間戻ることにはなるが、「特別転回」といって、スタッフの指示に従えば追加料金なしで当初のインターまでの料金で利用できる。
出口を通り過ぎたり目的地を間違えたからといって、本線上や料金所付近でUターンしたりバックをしたりするのは重大な違反行為なので、絶対にしないこと。なお、インターチェンジの構造等によっては、稀に対応できない場所もあることも覚えておこう。
前方車に遮られて高速道路上で停止した
高速道路の本線上で停車するのは非常に危険である。出来ればサービスエリアやパーキングエリア、非常駐車帯、最低でも路肩に避難して110番に通報。警察に指示を仰ぎながら窓を閉め、ドアにロックをかけ、警察官が到着するまで、車内に留まること。ドラレコがあればドラレコで撮影し、なければスマホなどで動画で撮影・録音をし、相手のクルマのナンバーも控えておく。
決して窓を開けず、ガン無視一択。高速道路上でクルマを止めるのは自殺行為であり殺人未遂でもあるので、まともに取り合わないこと。
こうしたケースでは、後続車に追突されるのが一番恐ろしい。ハザードを点滅させて余裕があれば発炎筒に火をつけ、相手の手が届かない場所の窓を少しだけ開いて、車外に投げ落とす(直後に窓は閉める)──のはいささかやり過ぎか……。
以上、5つのトラブルを想定してみたが、自分だけは大丈夫と思わず、日頃からもしもに備えたシミュレーションだけはしておこう。