発売直前のトライトンで豪雪地帯を征服!?
2024年2月10~12日にインテックス大阪で開催された「大阪オートメッセ(OAM)2024」。三菱自動車のブースでは、冬のイベントということもあってか雪にまつわるコンセプトカーが複数展示されていました。
雪を切り裂く無敵の走破性
その中でもひと際注目を集めていたのが、まもなく発売が予定されている1トンクラスのピックアップトラック「トライトン」をベースとした、「トライトン スノーシュレッダー コンセプト」なる1台だ。
「切り立った雪面やアイスバーンをアグレッシブなターンで切り刻むスノーボーダー」を意味するスノーシュレッダーを車名に冠したこのモデルは、スノーボーダーの相棒として雪山でのレジャーを存分に満喫するという、ピックアップトラックならではの新しい使い方を提案するモデルとなっている。
そのため、足元にはスタッドレスタイヤがしっかりと装着されているのだが、285/70R17という大径サイズのTOYO OBSERVE W/T-R LTが備わり、リフトアップキットを用いてしっかり地上高を稼いでおり、三菱が誇るスーパーセレクト4WD-IIとの組み合わせなら無敵の走破性を実現してくれそうな雰囲気だ。
にもかかわらず、リアにはスタックデリバリーラダーを搭載して万が一の際の脱出にも対応するほか、フロントナンバーの奥にはウインチも装備して、最悪の事態も考慮しているのはさまざまなラリー競技へ出場して知見を蓄積した三菱らしさが見え隠れしている。
ボディには点字技術を応用して生まれた、表面に凹凸を持つ特殊なラッピングフィルムを用いてダメージ表現をプラス。ヘッドライトにはスモーク加工がなされたほか、純正オプションとして用意されるホイールアーチモールやサイドドアガーニッシュも装着してアグレッシブな雰囲気をまとった。
海外の純正オプションを加工して装着
特徴的なフロントバンパーは、なんとオーストラリアの三菱純正オプションとしてラインアップされている非常にゴツいデザインのものを一部加工して装着している。残念ながらこのままの状態では日本での販売は叶わないということだが、反響次第では改良のうえ導入される可能性もゼロではないかもしれない。
そしてピックアップトラックならではの装備として、荷台に海外のオーバーランダースタイルでは定番となりつつあるカーゴキャリアシステムを装着し、左側には大容量のストレージボックスとタープを、右側には大容量タンクとスタックデリバリーラダーを効率的に搭載した。
また今回の展示では見ることができなかったが、荷台部分には引き出しタイプのストレージボックスを備えて降雪時でも荷物を容易に取り出しやすいように配慮したほか、その上にもカーゴボックスを備えることで荷台を有効活用できるようになっている。
リアビューのアクセントともなっている背面スペアタイヤは、純正オプションで備わるヒッチメンバーを用いて固定。これは純正スペアタイヤが荷台の下に吊り下げるタイプで、豪雪地帯を走行している際は取り外すことが難しくなってしまう可能性も考慮してのものとなっている。
このように一見するとインパクトを重視したカスタマイズにも見える同車が、じつはかなり考えられて作られていることがわかり、トライトンを購入するユーザーにとっては非常に参考になる1台と言えるだろう。