ベントレーマンチェスター、1台の特別限定車を製作
ベントレーマンチェスターとマリナーによる特別な限定車「プライベート ホワイト V.C.ベンテイガ」が発表されました。「プライベート ホワイトV.C」社とはマンチェスターに工場を置く、ビスポークのテーラーで長年にわたり、王や女王、大統領や首相、ロックスターやミュージシャン、スポーツ界の大物やハリウッドのアイコンのために服を作ってきた由緒あるブランドです。今回のコラボはどのような仕様になったのでしょうか。
同じ哲学をもつブランド
ベントレーモーターズは、マリナーによるプライベート ホワイト V.C.ベンテイガの1台限定のモデルを発表した。ベントレー マンチェスターとマリナーが依頼したこの特注ベンテイガは、イギリスを代表するアパレルメーカーであるプライベート ホワイト V.C.とベントレーモーターズの両社が象徴する英国の伝統、ハンドメイドのクラフツマンシップ、ラグジュアリーファッションを忠実に表現したものだという。プライベートホワイトV.C社は1853年に創業されたアパレルメーカーだが、その製品は一切外注すること無く、すべてがハンドメイドで製造されている。
ジャックホワイト上等兵にインスパイアされたモデル
今回の限定車は第一次世界大戦後にヴィクトリア十字章を授与されたジャック ホワイト上等兵にインスパイアされたベンテイガの特注限定モデルだという。
ジャック ホワイト上等兵は1896年に生まれ、第一次世界大戦の戦力として入隊した。彼は、激しい銃撃の中、銅製の電話線を自分の体に巻きつけて川に飛び込み、浮桟橋を曳航することで将校と部下、装備を救うという勇敢な行動により、ヴィクトリア十字章を授与され、戦争の英雄としてマンチェスターに戻ったという。
ホワイト上等兵の勇気と今日の洋服のラインアップからインスピレーションを得て、特別注文されたベンテイガ・アズールは、銅の電話線を表現したシートパイピング、刺繍、特注の装飾など、キャビン全体に銅のディテールを多用している。
さらに、シートとドアのインテリアには、ミリタリーウェアのスタイルと機能性を反映した、クリーン縫製ラインが施されており、ヘッドレストのヴィクトリア十字章を含む特注の刺繍とプライベート・ホワイトV.C.のレタリングが、キャビンのディテールを完璧に仕上げている。また、後部のクッションは、ジャック ホワイトのレジメンタル ブランケット ストライプを記念するために特別に依頼された、ランカシャーで織られたカシミア生地で作られた。
オーナーだけが楽しめる装飾とは
ダッシュボードには、アノダイズされた銅で仕上げられたオルガンストップと、1853年に建設されたプライベート・ホワイトV.C.工場である「コッテナム・ハウス」のシルエットがパッセンジャーフェイシアにあしらわれ、ドアポケットには、同社の非公式マスコットを表すブルドッグの刺繍がさりげなく施されているところはオーナーのみが楽しめる隠れた装飾である。
ベンテイガのエクステリアはダークサファイア仕上げで、コンテンポラリーなブラックライン仕様とリアプライバシーガラスが装着されている。特注の22インチ・ブライトマシンド カラーマッチド ホイールは、プライベート ホワイトV.C.の特注バッジと繊細な銅のアクセントが施されているという。
この車両はすでにベントレーの愛好家に販売されているというが、単なるブランドコラボレーションではなく、過去の英雄や、その街で語り継がれる人物をモチーフにしたコラボレーションはとてもおもしろい試みだと思う。このようなストーリーのある限定車が今後も多く出てくることを期待したい。
AMWノミカタ
マリナーはベントレーのビスポーク部門で、その仕様のバリエーションはお客様のインスピレーションの数と謳うほど無限に広がっていく。今回のコラボは地元マンチェスターの伝統的なアパレルメーカーの創始者の武勇伝からインスパイアされたものだが、このようなストーリーを語り継げるコラボレーションは面白いと思う。オーナーの一人一人にはそれぞれの歴史があり、その思いを形にできるのがベントレーのようなビスポークブランドならではの強みであろう。