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マッカーサー元帥の専用機がアリゾナに現存した! 旧日本軍にまつわる展示も多い航空博物館の復活を願いつつグランドキャニオンへ【ルート66旅_39】

マッカーサー元帥の専用機がアリゾナに現存した! 旧日本軍にまつわる展示も多い航空博物館の復活を願いつつグランドキャニオンへ【ルート66旅_39】

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭(SATO Kei)

  • カリフォルニアの本館には何度となく足を運んでいたが、アリゾナの別館は2012年が初めての訪問だった。閉館したのが本当に惜しい
  • アメリカ海軍のアクロバット飛行隊、ブルーエンジェルス所属のF-11タイガー。1957~1969年にかけて使用された艦上戦闘機だ
  • ラッキーなことにミュージアムの館長が自ら機内を案内してくれた。軍の高官が搭乗する飛行機だけあり立派なギャレーを備えている
  • コクピット後方には通信の設備が。当時のウェブサイトでは「Flying Aircraft」、すなわち飛行が可能な状態であると記載されていた
  • やはり日本の国旗には目が留まる。T-33は川崎重工でもライセンス生産され、航空自衛隊で2000年まで練習機などとして使われた
  • 垂直尾翼の機体番号で検索すると、航空自衛隊への引き渡しは1957年5月14日、用途廃止は1991年3月17日とのデータが見つかった
  • 屋内の展示はレストアが済み飛行可能な機体がメインだ。エンジンの下に置いてあるオイル受けのトレーがその証だと教えてもらった
  • ここに限らずアメリカの航空博物館はどこも旧日本軍に関する展示が多い。写真の下段にあるパーツは零戦のキャブレターとのことだ
  • こちらは艦上爆撃機の彗星などに搭載されていたエンジン。破損から察するに墜落もしくは不時着した機体から取り外したのだろうか
  • 九九式艦上爆撃機のパネル。実機は1969年に南太平洋の島から回収されプレーンズ・オブ・フェイムで飛行できるようレストア中だ
  • 旧日本軍が占領地で紙幣の代用として使っていた軍票も。センタボの他にペソやシリングなど東南アジア各国の通貨が展示されていた
  • マッカーサー元帥の搭乗機であるVC-121Aコンステレーション。バターン号の愛称が与えられた最後の機で3枚の垂直尾翼が特徴だ
  • 屋外にはレストア済みと思われるキレイな機体から、エンジンや外板の大半が欠けた機体も並んでいる。雨が少ないだけに錆は少ない
  • ソビエト連邦で開発され、東側の諸国で広く使われたMiG-15。プレーンズ・オブ・フェイムでは飛行が可能な機体も所有している

ルート66とグランドキャニオンの中間! ちょっと寄り道してみよう

広大なアメリカを東西2347マイル(3755km)にわたって結ぶ旧国道「ルート66」をこれまで5回往復した経験をもつ筆者が、ルート66の魅力を紹介しながらバーチャル・トリップへご案内。イリノイ州シカゴから西に向かい、見どころの多いアリゾナ州も中間地点を抜けました。今回はルート66を少し外れてグランドキャニオンに寄り道する途中で出会った、航空機の博物館を紹介します。

カリフォリニアの航空博物館のアリゾナ別館、入ってみたら驚いた!

アメリカを代表する国立公園として高い知名度を誇り、1年で約500万もの人が訪れるグランドキャニオン。そのゲートシティがルート66沿いのウィリアムズで、州道64号線を走れば南側の入口までわずか1時間だ。世界でも有数の大絶景がすぐ近くにあるというのに、立ち寄らずスルーするのはあまりにもったいない。というわけでルート66を少しだけ外れて北へドライブするが、グランドキャニオンの前にもうひとつのスポットを紹介しよう。

カリフォルニア州チノにある航空博物館「プレーンズ・オブ・フェイム」の別館で、ウィリアムズからグランドキャニオンへ行く途中の左手にある小さな空港が目印。世界で唯一となる飛行が可能な栄エンジンを搭載した零戦など、希少な飛行機を数多く保有する本館が手狭になり、アリゾナに別館を設立することになったそうだ。

外から見た限りレストア待ちやパーツ取りと思しき残骸が多く、それほど期待しないで入場してみたのだが意外と充実しており、戦前や戦後を問わず日本と関係のある展示も多く驚かされた。

最大の目玉はダグラス・マッカーサー元帥の搭乗機で、バターン号と呼ばれたVC-121Aコンステレーション。バターン号は年代によって合計3機が存在しており、ここに展示しているのは国連軍の総司令官を解任され、1951年4月16日に日本を去ったときの機体そのものだ。

以降は国連軍の司令官の専用機や要人輸送機として使用され、1960年代の後半にはNASAに所属したこともあったらしいが、今はこのプレーンズ・オブ・フェイムで余生を過ごしている。

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