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「メガクルーザー」と「パジェロ」が軍用車になったら…自衛隊の「軽装甲機動車」や「高機動車」を紹介します

ミリタリーヴィーグルらしいと言えるのが軽装甲機動車だ

インテックス大阪まで自走で来場!

関西最大級のクルマ系イベントとして1997年以来長年親しまれている「大阪オートメッセ」。この恒例のイベントが2024年も2月10日から12日にかけ、インテックス大阪で開催されました。カスタムショップやチューナーが手がけたドレスアップカーやチューニングカーはもちろんのこと、人気アーティストのライブやRCカーのレース、子ども向けの工作教室など、幅広い層に向けたコンテンツも多数用意されていました。その中でも毎回その迫力で注目を集めるのが自衛隊車両の展示コーナーです。

3台の車両が大阪オートメッセに展示

災害派遣などでも活躍する自衛隊は広報活動にも積極的で、各種イベントにさまざまな車両を展示するとともに、その活動の内容を一般に広く知らしめている。今回の大阪オートメッセでも地元関西の伊丹駐屯地に駐屯する陸上自衛隊第36普通科連隊の所属車両3台が屋外展示スペースに展示された。その内訳は軽装甲機動車、高機動車、1/2t小型トラックの3台。いずれも伊丹駐屯地から阪神高速を使い会場のインテックス大阪まで自走してきた。

3台のうち、もっともミリタリーヴィークルらしいと言えるのが軽装甲機動車だ。偵察や連絡、隊員の移動などに使われる。その名の通り小火器の銃弾や砲弾の破片などを防げる軽度の装甲を持つ4人乗りの小型車両で、全長約4400mm、全幅約2040mm、重量は約4500kg。エンジンは160psを発生するいすゞ製の4気筒ディーゼル、4速ATのトランスミッションを介した最高速度は約100km/hと言われる。現代の軍用車だけに室内にはエアコンも備わる。開発・製造は重機でお馴染みのコマツが担当した。

ルーフには防弾版と機銃架も用意され、ステップやボンネットなどの靴底が当たる面には、滑り止めのザラ付いた表面処理が施されているのも印象的だ。また、分厚い防弾ガラスのウインドウや頑丈そうな前輪ダブルウィッシュボーン、後輪セミトレーリングアームの足まわりからも、いかにもヘビーデューティな用途であることがうかがえる。

民生用車両のトヨタ「メガクルーザー」の姉妹車としても知られるのが、陸上自衛隊で活躍する高機動車。全長4.91m、全幅2.15mという堂々たる体躯だ。乗車定員はちょうど1個小隊が搭乗できる10名。エンジンは170馬力を発生する水冷直列4気筒インタークーラー付きOHVターボディーゼルだ。

シンプルでスパルタンな内外装はミリタリーユースならでは。最低地上高を上げるために採用されたリダクションハブや回転半径を小さくするための4WSなど、その名の通り機動力を高めるための機構は抜かりない。米軍が採用している類似車両「ハマー」と同様、さまざまな派生型も存在する。開発自体はトヨタだが生産自体は日野自動車によって行われている。

もしかしたらこちらが一番馴染み深い車両かもしれない、多くの部分を2代目三菱「パジェロ」と共有する1/2tトラック。展示された3台の中では比較的ミリタリー感は控えめといえる。三菱「ジープ」がルーツの、73式小型トラックの系譜に連なる自衛隊の汎用車両だ。

この2代目「ジープ」は1996年から広く使われている。展示されていた車両は6名乗車仕様の基本型。最後部の第3列席が対面2名乗車となった新型である。他の2台に比べミリタリー感は控えめといつつ、質素な内外装や215/85R18という大径のタイヤなどはやはりタフでヘビーデューティな任務を連想させる。これらの車両と隊員たちが、あくまでも効果的な抑止力として存在し続ける平和な日本でありますように。

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