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トヨタ・ホンダ・スズキ・カワサキ・ヤマハのドリームチームがダカールラリーに挑戦! 水素エンジンで無事完走【Key’s note】

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TEXT: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  PHOTO: TOYOTA GAZOO Racing

  • HySE-X1
  • #243 ガイ・ボッテリル/ブレット・カミングス組
  • #243は総合6位でフィニッシュし、TOYOTA GAZOO Racingのマシンではトップ
  • 首位との差は2時間40分33秒差であった
  • トヨタ車体(チームランドクルーザー・トヨタオートボデー)
  • トヨタ車体チームランドクルーザー・トヨタオートボデーは11年連続の市販車部門優勝となった
  • 日野チームスガワラのマシン
  • チームスガワラはクラス6位、33回連続のダカールラリー完走となった
  • #226 サオード・ヴァリアワ/フランソワ・カザレ組
  • #206 ルーカス・モラエス/アルマンド・モンレオン組
  • #209 ジニエル・ド・ヴィリエール/デニス・マーフィ組
  • #243 ガイ・ボッテリル/ブレット・カミングス組
  • HySE (技術研究組合水素小型モビリティ・エンジン研究組合)のマシン
  • 水素エンジンでの参戦は過酷な挑戦だったが無事完走
  • 見事クラス4位でフィニッシュした

過酷なダカールラリーに挑戦した期待のプロジェクト

レーシングドライバーであり自動車評論家でもある木下隆之が、いま気になる「key word」から徒然なるままに語る「Key’s note」。今回のキーワードは「水素エンジンでダカールラリー参戦」。ホンダ、カワサキ、スズキ、ヤマハにトヨタが加わり、水素を燃料にエンジンを駆動させるバギーでダカールラリーに参戦しました。このプロジェクトの未来に期待したいと、木下さんは語ります。

メーカーの枠を越えて新たな可能性に挑む

2024年1月5日から19日の14日間にわたって開催されたダカールラリーは、今年も熾烈な戦いが繰り広げられましたね。

サウジアラビアの北西部アルウラをスタートし、大砂丘を経由しながらヤンブーまでを走破します。ほとんどが砂地ですから、足元がすくわれます。日中、陽が当たるところは暑いですが、深夜になれば氷点下にまで気温が低下するそうです。寒暖差が激しいため、快適なホスピタリティは望めません。ドライバーを含めたクルーにとってもマシンにとっても過激であり、アドペンチャー色が色濃いのが特徴なのです。

ダカールラリーには、さまざまなクラスがあります。最新の4輪オフロードモデルからバイクやバギーなど、バラエティ豊かなのです。特徴的なのは、カーボンニュートラルに備えた次世代のパワートレインを搭載したマシンに限定された「ミッション1000」があることです。電動車やバイオフューエルにハイブリッドなど、環境を意識したマシンが砂漠バトルを競ったのです。

話題になったのは、日本の混成チームが走らせた「HySE-X1」です。カワサキ、ホンダ、ヤマハ、スズキの4大バイクメーカーとトヨタ自動車による研究チームが、メーカー間の垣根を超えて開発したバギーで参戦するとして話題となりました。

搭載するエンジンはカワサキ製の直列4気筒993cc、4ストロークスーパーチャージャーで武装し、燃料は水素です。といっても、搭載する水素と大気中の酸素を化学反応させて発生した電力でモーター駆動する燃料電池車ではなく、ガソリンの代わりに水素を内燃機関で燃焼させる「水素ガソリン」エンジンなのです。

装着するタイヤはトーヨータイヤのオフロードブランド「オープンカントリー」。サラサラの砂漠では圧倒的なトラクション性能が欠かせません。多くのクルマがスタックによるマシンストップと戦っています。

実は大砂漠地帯とはいえ、岩場も少なくありません。タイヤがヒットすればバーストの危険性もあります。タイヤトラブルに見舞われれば、ドライバーとコ・ドライバーが自らタイヤ交換しなければならず、大きくタイムロスすることになります。ですから、砂丘での突破力に加えて、耐久力も求められるのです。チームがオープカントリーをチョイスしたのは、そんな性能を評価したからでしょう。

それにしても感心するのは、まだ開発途上である水素エンジンであるのにも関わらず、無事に完走したことです。しかも、クラス4位に喰い込んでいます。タイヤには実績がありますが、パワーユニットの知見はまだ少ないのです。それでも期待を超える成績を残しました。

完走

このところ、EVやハイブリッド、あるいは燃料電池や水素エンジン、さまざまなパワーユニットが選択肢として提示されていますが、既存の内燃機関の燃料をガソリンから水素に変えるたけでダカールを踏破できるこのシステムの将来性にも注目したいですね。

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  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 1960年5月5日生まれ。明治学院大学経済学部卒業。体育会自動車部主将。日本学生チャンピオン。出版社編集部勤務後にレーシングドライバー、シャーナリストに転身。日産、トヨタ、三菱のメーカー契約。全日本、欧州のレースでシリーズチャンピオンを獲得。スーパー耐久史上最多勝利数記録を更新中。伝統的なニュルブルクリンク24時間レースには日本人最多出場、最速タイム、最高位を保持。2018年はブランパンGTアジアシリーズに参戦。シリーズチャンピオン獲得。レクサスブランドアドバイザー。現在はトーヨータイヤのアンバサダーに就任。レース活動と並行して、積極的にマスコミへの出演、執筆活動をこなす。テレビ出演の他、自動車雑誌および一般男性誌に多数執筆。数誌に連載レギュラーページを持つ。日本カーオブザイヤー選考委員。日本モータージャーナリスト協会所属。日本ボートオブザイヤー選考委員。
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