大阪オートメッセ2024に出展した日産京都自動車大学校
2024年2月10~12日にインテックス大阪で開催された「大阪オートメッセ(OAM)2024」。メーカーやショップなどプロの手がけたカスタマイズカーたちの中で、学生たちが既成概念にとらわれず製作したカスタム車両も注目を集めていました。今回は日産京都自動車大学校の展示ブースを紹介します。
学生たちの想像する新型エルグランド
未来の自動車エンジニアが在学している自動車大学校の出展は年々クオリティが高まり注目度も上がっているが、日産京都自動車大学校は日産自動車の現役デザイナーを招くことで、そのクオリティを一気に高めていた。
「学生の考える新型エルグランド」がコンセプトの「エルグランド グラシア」は、キャンプやアウトドアを楽しむ6人家族をターゲットカスタマーに設定し、E52型エルグランドをベースに現行「エクストレイル」のフロントマスクを、リアは「アリア」のテールランプやリアウイングを移植している。
といっても当然ただ単にポン付けしたわけではなく、フロントはエルグランドの厚みのあるフロントフェイスに合わせてバンパーを天地方向に延長し、フェンダーはエクストレイルとエルグランドのものをベースに足りない部分は新設するなど手が込んでいる。
リアも同様で、サイドまで回り込んだテールランプに合わせてリアクオーターパネルを作り直し、リアウイングもアリアのものを流用。この中で一番苦労したのはじつは灯火類で、現行車はCAN通信で一括制御しているものをE52の初期型に移植し、問題なく点灯させるのにかなりの配線加工を行ったそうだ。
ここまで手が入っていながらも自然なデザインとなっているため、来場者の中にはただの「エクストレイル」と勘違いして素通りする人がいるほどのクオリティとなっていた。
Z12キューブが410ブルーバードに変身!
続いてはZ12型「キューブ」をベースに410「ブルーバード」のマスクとテールを違和感なくインストールした「SETO」と名付けられた1台。
フロントはバンパー、グリル、フロントパネルなどがブルーバードのものを使用し、ボンネットやフェンダーはブルーバードとキューブのものを組み合わせ、自然な造形としている。
リアもフロントと同じくブルーバードのテールやバンパーを使用し、クラシカルな雰囲気をまとっているが、灯火類にはLEDをあえて採り入れて、レトロな中にも現代風の要素をプラスしているのも注目だ。
前後フェンダーに入るキャラクターラインはブルーバードのものを再現しており、当初はサイドすべてにキャラクターラインを入れるつもりだったが、日産のデザイナーのアドバイスによってフロントとリアにのみ入れたことで、絶妙なアクセントとなった。