運転中に地震が起きたら
2024年は元旦から能登半島での大地震のニュースが流れて、改めて日本列島は地震大国であることを再認識させられました。令和6年能登半島地震の被害にあわれた皆様に心からお見舞い申し上げます。今回は、首都高速道路や高速道路を走行中、もしも地震に見舞われたらどうすればいいのかを確認します。
首都高速道路の場合
首都高の管内で大地震(震度5強以上)が発生すると、首都高の入口は閉鎖され通行止めになる。その後、首都高速道路株式会社では、安全確認のため直ちに緊急点検を実施することになっていて、緊急点検には3時間程度かかるといわれている……。
そして、すでに首都高速道路上を走っていたドライバーは、次のように行動すること。
1 走行中に揺れを感じたら、急ブレーキをかけないでゆっくり減速して停車。
2 停車するときは、左側(左側に駐車できないときは右側)にクルマを寄せ、警察、消防等の車両が通行できるよう中央部を空けておく。
3 ラジオやスマホを使って、地震や災害の状況、道路交通情報をチェック。
4 パトロールカー等が広報しながら巡回するまでそのまま待機し、その指示に従う。(二次災害防止のため、自分の判断でむやみに行動するのは厳禁)
そして、クルマによる高速道路上からの避難が困難または危険な状態となった場合、パトロール隊など係員の指示に従い、クルマを置いたまま徒歩で避難。その際、下記の対応を忘れずに。
・キーは車内に置いたままにする
・窓ガラスはしっかり閉める
・車検証や貴重品は必ず持ち出す
・連絡先を書いたメモを残す
・ドアはロックしない
高速道路の場合
高速道路でも、基本的に対処法は同じ。高速道路では計測震度4.5(震度5弱に相当)以上で通行止めとなり、道路の点検が行われる。同時に、大地震の場合、本線車道は、緊急車両が通行することになり一般車両は走行できない。そして走行中、揺れを感じたら、ゆっくりと減速し、慌てずに左側路肩に停車して、エンジンを止めること。ただし、長大のり面の下、トンネル坑口付近では、震度によっては崩落の危険があるので、極力その場所をさけて停車するのが重要。沿岸部であれば、クルマを置いて高台に逃げる必要もあるので、素早い行動が必要だ。
やむを得ずクルマを離れるときは、エンジンを切って、パーキングブレーキをかける。さらにクルマを降りたら、路上や路肩ではなく、非常駐車帯やガードレールの外など、安全な場所に避難すること。また高速道路では、全体の災害状況を道路情報板やハイウェイラジオ、警察や高速道路会社のパトロールカー搭載のスピーカー、サービスエリアなどの拡声放送によって情報を提供することになっているが、自分でもカーラジオやスマホ(デマや流言に注意)で状況を確認するのも重要。
そしてNEXCOでは、車両火災が発生したときは、お互いに協力して、初期消火に努めるよう呼びかけている。ちなみに、危険物運搬車には、消火器の設置が義務づけられているが、できれば乗用車でも自主的に消火器を備えておくのがベターだ。(高速道路のトンネル内には、50m間隔で消火器・消火栓が設置されている)
長時間の立ち往生などに備える
その他、長時間の立ち往生などに備え、下記のものを常備しておくと安心だ。
・水(1L以上)
・軽食(保存が利いて調理なしで食べられるもの)
・灯火類
・スマホの充電器
・携帯トイレ
・応急医薬品
・防寒用のブランケット
・ロープ
・軍手
体験者によると、運転中に大地震が発生したら、パンクしたときのように突然クルマが激しく左右に揺れハンドルをとられるような感じになるとのこと。したがって、大きな揺れを感じたらハンドルをしっかり握って、落ち着いて、ゆっくり減速、停止して、深呼吸してから次のアクションを考えよう。