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日産「レパード」といえば『あぶない刑事』! 「パトランプを常備」する全国から集まったファンの情熱に脱帽でした

どちらにも精通する猛者が集まった全国ミーティング

人気ドラマの影響で、そこに登場したファッションや小物、お店などが注目されるという社会現象は、昭和の時代から今なお変わりません。そんなアイテムの中で、主人公達の愛車として劇中に登場したことで、時代の寵児となった車両が、日産「レパード」(2代目 F31)でした。1986年(昭和61年)に放送開始された『あぶない刑事(あぶないデカ)』により、その後のクルマ人生が激変したという方も多いはず。2023年11月4日に開催した「レパードオープンミーティング2023」は、そんなマニアなオーナーが全国から集まる、情熱的なイベントでした。

アラフィフ世代のクルマ好きの多くが憧れたレパード

イベントの本題に入る前に、この「レパードオープンミーティング2024」の取材を担当した、筆者の状況をご説明しておきたい。『あぶない刑事』が放送された1986年(昭和61年)当時、小学校6年生だった筆者は、日曜夜9時から始まるこのドラマが楽しみで、毎週眠い目をこすりながら番組を観ていた世代だ。幼少の頃からクルマ好きだったので、『西部警察』もワクワクしながら観ていた。

しかし、『あぶない刑事』は『西部警察』を凌駕する面白さ。ドラマ内での人間模様の描写や内容などは、子どもなので全く理解できていない。でも、オシャレでカッコよくて、たまにコミカル。そんなタカとユージの大人な雰囲気と、魅惑的な「ヨコハマ」という響き。二人が乗る2ドアクーペの日産「レパード」のカッコよさと合わせて、茨城の田舎育ちの小学生は、子ども心にこの『あぶない刑事』の世界観に魅了されていたのだ。

だが、いざ自分が自動車免許を取得すると、実際にあのレパードを購入することもなく。それよりもはるかに安価な二人の拳銃のモデルガンやガスガン、S&W・M586やコルト・ローマンを買ったこともない。あれだけ夢中になって観ていたはずだったのに……。あの時の『あぶ刑事』に対する憧れは、大人になって現実を知ると同時に、どんどん消え去っていたのだった。

レパードオーナーだけの集まりではない、誰もが参加可能なミーティング

今回お邪魔してきた「レパードオープンミーティング2023」には、3つのキーポイントがあった。まずひとつは、実は年式を問わず歴代レパードの集まりであること。そして、2代目のF31好きが多いこともあり、結果的に『あぶない刑事』が大好きなファンが多く集まること。そして最後は、レパードに乗っていない方でもこのイベントが楽しめるようにと、レパード以外の車種はもちろん、クルマに興味が無くても『あぶない刑事』が好きという方も参加可能ということだ。イベントタイトルに“オープン”と付けられているのには、実はそういう理由があった。

「31レパードのような車両に乗っていると、そこに集まる私達は気にしていなくても、それを周りから見ている人にとっては、近づきにくい、声をかけにくい、という印象が出てしまうのです。実際、私自身も最初はそう感じていた側でした。でも、そんな閉鎖的な事は一切ない、素晴らしい仲間達が集まっているので、レパードやあぶない刑事が好きな方はもちろんですが、それ以外の皆さんたちでも情報交換の場に使っていただきたいという思いがありました」

そう語ってくれた中島健太さんは、今年の主催運営を取り仕切っており、実際にご自分でも2代目レパードを愛車にし、『あぶない刑事』が大好きなファンの1人である。そもそもご自身が参加者側の立場だったこともあり、その時の思いが、今のイベント運営の趣旨に深く関係しているそうだ。

劇中のシーンを再現する、モデルガンや無線機、クルマの仕様まで追求したマニアの共演

このミーティングは、2018年に神奈川県横浜市にある横浜港シンボルタワー駐車場にて開催したのがはじまりだ。翌年も同会場で2回目を実施。しかし、2020年以降はコロナ禍により開催されず、2022年にようやく第3回にこぎつけた。その時に会場を、岡山県玉野市にある道の駅みやま公園内ふれあい広場へと変更。そして今年は同じ会場で4回目を実施。東は東京、西は長崎と、事前申し込みでは40台ほどの参加表明あり。さらに当日は、他車種も含めて、60台ほどが来場していた。

レパードで参加した方々のほとんどが、いわゆる“あぶ刑事レパード”に乗っていた。しかも、ただ大切に所有しているだけではなく、自分なりのレパード愛、またはあぶ刑事愛を表現。パトランプを常備している方が多かったのは想像通りだったが、劇中車の仕様を調べて細部まで再現。その細部というのも、使用されていた警察無線機と同じものを備えていたり、その無線機から発する音声が、正にあの港警察署の無線担当のお姉さんの声だったり! タカとユージが使ったものと同型式のモデルガンを揃えるのは、もはや必須ルールなのでは!? と思うほどのレベル。

タカとユージが来ていたスーツのブランドで、同じ仕立てで揃えた人。モデルガンもテレビシリーズ第1作から劇場映画版まで揃えている人。当時『あぶない刑事』が特集された雑誌や映画パンフレットなどを大切に保存する人など。そして、レパード以外でも、このドラマに関連する車両、日産「セドリック」や「GT-R」などを愛車にする人など、あらゆる角度から『あぶない刑事』を愛するファンを中心に、イベントは盛況のまま終了。

奇しくも、このイベント開催の2日前に、新作映画『帰ってきた あぶない刑事』の制作発表が実施されていた。「レパードオープンミーティング2023」に集まった皆さんは、このタイミングに驚喜乱舞。そして、2024年5月24日の公開を、本当に首を長くして待ちわびているのだ。

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