最高出力は20ps増加の700ps
ミッドに搭載されるエンジンは、120度のバンク角を設定したV型6気筒ツインターボ。こちらもアルミニウム製のブロックを採用したことをはじめ、軽量化には徹底した姿勢が貫かれている。その重量はマクラーレンがスーパーカーに使用するV型8気筒ツインターボより50kgも軽い160kg。最高出力はこれまでの680psから20ps増加し700psに、最大トルクの720Nmには変化はない。
マクラーレンによれば、その吹け上がりはとても鋭く、それはツインターボのシステムをV6エンジンのバンク角中央に配置する「ホットインサイドV」の設計を採用したところに大きな理由があるのだという。潤滑方式はドライサンプでエンジンの搭載位置を低下させると同時に、それは車体全体の重心をより低く設定させることに貢献した。
このV6エンジンに組み合わされるトランスミッションは8速のSSG(DCT)。そのベルハウジングの中には最高出力で95ps、最大トルクでは225Nmを発揮するエレクトリック・モーターが内蔵されているが、こちらも重量は15.4kgしかない。リチウムイオン方式のバッテリーパックは5個のモジュールで構成され、容量は7.4kWh。重量は88kgとこちらも注目できる数字が並ぶ。その他のコンポーネントを含めたハイブリッド・コンポーネントの総重量はじつに130kg。EV走行距離が33kmにまで伸びたのも、カスタマーには嬉しい進化といえるだろう。
最高速度は330km/h
アウトゥーラ・スパイダーの加速性能は、オフィシャル・データによれば、0-100km/hが3.0秒、0-200km/hが8.4秒、0-300km/で21.6秒。最高速度はリミッター制御により330km/hに抑えられている。もちろんこの運動性能を得るためには、そしてサーキットなどで十分に満足できるドライビング・ファンを感じるために、新たなエンジンマウントを開発したほか、シャシーでも大幅な改良をアルトゥーラに加えている。乗り心地とハンドリングはさらに見直され、ドライバー・インプットや路面変化へのレスポンスも向上した。ESC=エレクトリック・スタビリティ・コントロールの介入も調整可能で、ドライバーの好みで走りのテイストを選択できる。
コンフォートがデフォルトとなるハンドリングモードは、ほかにスポーツとトラックを用意。またそれとは別に用意されるパワートレインモードは、EV走行のEモードがデフォルトとなり、そこからコンフォート、スポーツ、トラックへと、エレクトリック・モーターをよりアグレッシブに使用する設定へと変化していく。
RHTを得て、スタイル的にもクーペとはやや趣の異なるスポーツカーに仕上がったアルトゥーラ スパイダー。それがアルトゥーラ・シリーズのセールスに、大きな追い風を巻き起こすことは間違いのないところだろう。