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バブル時代に生まれた「SZ」が1120万円で落札!「怪物」と呼ばれたアルファ ロメオは、いま手に入れておきたい1台です

バブル時代に生まれた「SZ」が1120万円で落札!「怪物」と呼ばれたアルファ ロメオは、いま手に入れておきたい1台です

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2023 Courtesy of RM Sotheby's

走行距離はわずか6000kmたらず

アルファ ロメオにとって、そしてカロッツェリア・ザガートにとってもターニングポイントとなったES30系SZは、ミラノ近郊ロー(Rho)にあるザガート社ファクトリーにて、1991年末までに1036台のみが限定生産されたといわれている。

しかし、少数生産車への関心が高まる時期に発売されたせいなのか、SZの多くはコレクションに収蔵され、走行距離も少ない事例が多かったという。

今回RMサザビーズ「PARIS 2024」オークションに出品されたSZも、そんな一台。1991年9月15日に初登録され、以来32年以上の時が経過したにもかかわらず、公式オークションWEBカタログ作成時点の走行距離は、わずか5836kmに過ぎない。

それでもオークションのわずか一週間前、2024年1月24日にはドイツ・グレーベンツェルのアルファ ロメオ正規ディーラーである「Sportautohaus Schusterschitz」社によってメンテナンスサービスが施行され、合計796.87ユーロの経費が請求されたとのことである。

走行距離の少なさに見合ったコンディションで「コレクタークオリティ」を謳うこの個体には、3点セットの純正ラゲッジセットと、オーナーズマニュアルを収めた純正レザーフォリオが付属する。

RMサザビーズ欧州本社は、出品者である現オーナーとの協議のうえ、5万5000ユーロ~7万5000ユーロのエスティメートを設定。競売において最低落札価格を設定しない「Offered Without Reserve」とした。
この「リザーヴなし」という出品スタイルは、金額を問わず確実に落札されることからオークション会場の雰囲気が盛り上がり、ビッド(入札)が進むことも期待できる。ただしそのいっぽうで、たとえビッドが出品者の希望に達するまで伸びなくても、落札を止められないというリスクも持ち合わせる。

そして迎えた1月31日の競売では、エスティメートに届く6万9000ユーロ、日本円に換算すると約1120万円という出品者側にとっては想定内のハンマープライスで、落札されることになった。

ただ、ここ数年の欧州マーケットの趨勢を見ていると、ES30系SZの販売価格は最高で10万ユーロにも達していたこともあるようだが、今回の出品車両はコンディションが最高レベルとはいえないものだったのか……? あるいはアルファロメオSZの相場自体が落ち着いたのか……?  そのあたりが気になるところではある。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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