あぶ刑事だけではない、他の劇中車もオマージュ
このイベントにお邪魔して興味深かったのは、劇中で使用された無線機を、何人かのオーナーが装着していたことだった。どうやらその首謀者のひとりは、この横田さんだと判明。電気工事技師という本業の関係で電装系の修理や改造が得意だそうで、趣味と実益を兼ねて、そういった無線の修理や自らの愛車の改造を手掛けているのだった。
「いろいろ自慢のポイントがありますが、改造で言えば、デジタルメーターへと変更したことですね。また、私はあぶない刑事だけじゃなくて、ナイトライダーやトラック野郎といった、当時のクルマ系ドラマや映画が大好きだったため、そういった作品へのオマージュも込めて、細部を仕上げています」
レパード F31 後期型はアナログメーターしか設定がなく、未来感溢れるデジタルメーターは前期型のみ。しかし、それをそのまま移植してもおもしろくないということで、日産「グロリア Y32」でオプション設定されていたアナログ風デザインのデジタル式を移植した。
さらには、『ナイトライダー』をオマージュして、シフトレバー付近にイエロー、レッド、グリーンの電装パネルを配置。そして、アクセルペダルの左右にも電飾を追加。劇中で主人公のマイケル・ナイトが操る「キット」のような改造を取り込んでいるのだ。
横田さんによれば、このイベントに集まるオーナーの多くが、『あぶない刑事』が大好きなのは当たり前とのこと。そのため、車両の仕上げ方も似たような方向性になってしまう。その中で、「いかに自分のオリジナリティを引き出すか」にこだわった事で、現在のようなスタイルにシフトしていったそうだ。
同一車種のオーナーズミーティングは、車両の状態維持やパーツ確保の情報交換だけではなく、こうした独自アイデアで愛車を楽しむオーナーに出会えるのが楽しい。それを改めて実感した取材だった。