愛犬と愛車で車中泊から車中避難までのノウハウ&グッズ解説
アウトドアブームでキャンプや車中泊を楽しむ人が増えていますが、じつはそれらの装備は震災などで車中避難をすることになった場合にも大いに役立つことが多いのです。2024年は大きな地震もあり、防災の備えに注目が集まっています。とくにマイカー旅行や車中避難の利用者は、愛犬と暮らしているがゆえにという事情もあるので、今回は愛犬との車中泊/避難にフォーカスして解説しましょう。
冬をテーマに、必要な装備や道具、便利グッズを紹介
愛犬を連れてアウトドア、車中泊を楽しむ。愛犬連れだと自由が利かない場面でも、クルマ移動、車中泊であれば、「ペットNG」と言われることなく、ドライブ、アウトドアライフ、就寝できるというわけだ。
理想はキャンピングカーであることはもちろんだが、ここではキャンピングカーまで踏み出せない愛犬家と愛犬のための、愛犬と愛車で楽しむ車中泊について、そのノウハウを紹介したい。前提は、夫婦またはカップルと犬1~2頭の場合だ(冬を想定)。
どんな車種が向いている?
愛犬と楽しむ車中泊であれば、クルマはミニバン(2列シート含む)系がいい。理由は想像通りで、室内が広く、天井が高く、シートのフラットアレンジがしやすいからだ。例えばファミリーミニバンの定番たる日産「セレナ」の最新モデルは、2/3列目フラットアレンジをすれば、それこそマットレス不要と思えるほどのフラット度とシートクッションによる寝心地の良さがある1台。
また、ホンダ「フリード+」といった、2列シートでラゲッジルームを上下に仕切るボードの使用によって、完璧に近いフラットスペースを出現させることが出来るコンパクトミニバンもお薦めだ。
ただし、フリード+や同じくホンダの「N-VAN」、VW「ゴルフトゥーラン」といったフルフラットアレンジが自慢の車種でも、フロアはボードだったり樹脂だったりするため、快適に寝るためのマットは不可欠。ここで問題になるのが、その収納方法で、かさばりすぎるマットの車載はNG。ホンダやスズキの純正アクセサリーにあるような、折り畳み式やくるくる丸めてコンパクトにしまえるタイプが使いやすい。
ちなみに、マットレスの上にシーツ……という日常的な寝床作成は、人間だけなら問題ないものの、愛犬同伴だと、実体験からお薦めできない。理由は犬がぐちゃぐちゃにしてしまいがちだからだ。わが家のジャックラッセルのようなダブルコートの被毛で抜け毛が激しい犬の場合、抜け毛がからみにくく、抜け毛が落ちても掃除しやすい表皮のマットレスを使うことにしている。スズキの純正アクセサリーのリラックスクッションは、くるくる丸められるアイテムだ。抜け毛は仕方ない……と思っていても、寝て起きたら飼い主の体中、抜け毛だらけ、では大変である。
快適な睡眠に必須なグッズとは
当然、就寝のためにはウインドウ全周を覆うシェード、カーテンが不可欠。ホンダ「ステップワゴン」やスズキ「スペーシア ベース」など、純正アクセサリーで全周シェードが用意されている車種なら、ジャストフィットするそれを使うのがベスト。
では、車種専用シェードやカーテンが用意されていない車種の場合は、アフターマーケットのカーテンを使わざるをえないのだが、専用設計の物は高価。そこで、わが家も使っている廉価な自動車用遮光カーテンが、セイワという自動車界では有名なカー用品メーカーの「楽らくマグネットカーテン」(スズキ「エブリイ」、「ジムニー」、トヨタ「ハイエース」は専用品あり)と、「楽らくマグネットハイブリッドカーテン」。マグネットで簡単に張り付けられ、さっと外せる使いやすさが気に入っている。遮光生地で、フロント、サイド、リア用を揃えれば、プライバシーが守られる車内空間ができ、周囲から覗かれる心配もない。ウインドウからの冷気も多少、遮断することができる。