マニュアルモード付きATは国産車で初採用!
一方でメカニズムでは、エンジンにV6が設定された点が売りのポイントだった(ほかに4気筒も)。V6は2Lで2機種あり、高性能版には可変カムタイミング&リフトのMIVECが設定された。このMIVECエンジンは8000rpmまで回り、200ps/20.4kgmのスペックをモノにしていた。
さらにもうひとつのメカニズム上のトピックだったのがINVECS-IIスポーツモード4速AT(後に5速化)だった。これは国産車初のマニュアルモード付きATで、1990年にポルシェ「911」(964)に設定されたティプトロニックと同様のATシステム。通常の右列からシフトレバーを左側に倒せば、シフトアップ(+/前方)とシフトダウン(-/手前)がレバーにより任意で操作でき、タコメーター内には「4・3・2・1」のポジションインジケーターも備えた。カタログでは「レバーを連続的に操作すれば、4速→2速などのスキップシフトも可能。減速時のみ次の加速にそなえて自動的にシフトダウンされ、停止時には再発進を考慮して自動的に1速に設定」などと紹介されている。
MDチェンジャーといった当時らしい装備も
装備面では、未使用時には1DINスペースに格納されて使用時に画面が立ち上がるナビゲーション用モニター(写真ではMITSUBISHIのロゴが確認できる)、MDチェンジャーといった当時らしい装備や、絵表示で作動状態をわかりやすく伝える空調なども。ほかに電動チルト&アウタースライド方式のガラスサンルーフもメーカーオプションで用意されていたが、この場合、カタログの小さな写真ではルーフがバブルルーフではないように見えるものの実際はどうだったかは未確認だ。
なおカタログのトップにあるコピーは「この運動神経は、ふつうじゃない。」であった。当時すでに「パジェロ」などRV系の車種で定評があった三菱が、スポーツカー系でも魅力あるモデルを市場投入すべく開発されたのが、このFTOなのだった。