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「シルエイティ」ってもうないの? 「鬼キャン」も「どっかんターボ」も今や死語!? 懐かしの走り屋用語はなぜ使われなくなった

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: AMW

  • ターボのイメージ
  • キャンバー角
  • キャンバーボルト装着前
  • キャンバーボルト装着後
  • キャンバー角 5度
  • キャンバー角 10度
  • 日産シルビア
  • 多くの走り屋に今も支持されている日産シルビア(S13型)
  • 流麗なスタイリングのS15シルビア
  • 日産シルビア
  • 日産180SX(後期型)のフロントスタイリング
  • 後期型180SXのスタイリングイメージ
  • 180SX(1995年式)
  • 後期型180SXのフロントマスク
  • 日産180SX(後期型)のリヤスタイリング
  • FFレイアウトでありながらスポーティな走りを楽しむことができる仕上がりだった
  • 2004年ホンダ・シビック タイプRの走り
  • オーバーステアとアンダーステアの解説図面
  • インテグラ タイプRに装着していた「K3T」という一番使い勝手の良いターボ
  • ノーマルに近い仕様であっても社外品をうまく使い、長く大事に乗り続けるためメンテナンスすることが大事になってくる。それはタービンも同じだ
  • サーキット走行も視野に入れたNISMOのタービン「R1」「R3」
  • 1990年代には、純正タービンの吸気側インペラーを交換する「BAG Turbo」を発売

今となっては懐かしい走り屋の用語5選

毎年のように話題になっては消えていく流行語。走り屋の世界にも昔は当たり前のように使われていたけど、今となっては懐かしく感じてしまう単語が少なからずあります。筆者がチューニング専門誌の編集部に在籍していた、2000年代の前半に定番だったワードを紹介しつつ、徐々に使用頻度が減っていった理由を考えてみます。

使われなくなったのには理由がある! まずは鬼キャンを解説

まずはタイヤの強烈なネガティブキャンバーを意味する、鬼キャン(鬼のようなネガティブキャンバー)から。本来の目的はコーナリング中にタイヤの接地面積を稼ぐため、あらかじめマイナス方向のキャンバー角を付けておくことで、昔のレーシングカーでは定番といっていいチューニングだった。現在もドレスアップの手法としては根強い人気を誇るが、直線では接地面積の少なさが災いしてブレーキが効かない、直進安定性が悪化したりタイヤが著しく偏摩耗するなど、正直いって安全面でも経済的にもデメリットのほうが多い。また肝心のレーシングカーも足まわりやタイヤが進化し、それに伴ってセッティングの方向性も変わったため、昔のような激しい鬼キャンのクルマは消えてしまった。

シルエイティ

次はドリフト界で一世を風靡したシルエイティ。1988年にデビューしたS13系にはシルビアと180SXの2車種が存在しており、シルビアは固定式ヘッドライトにトランクのオーソドックスなスタイルだ。180SXはリトラクタブル式ヘッドライトとハッチバック型のクーペで、エンジンやトランスミッションなどが基本構造が共通しているいわゆる兄弟車だ。手ごろな価格とアフターパーツの豊富さで走り屋の主力マシンとなったが、台数が多いだけに他人と違うスタイルを求めるオーナーたちは頭を悩ませた。そこで生まれたのが180SXにシルビアの顔面を移植するシルエイティ、もしくは逆のパターンでシルビアに180SXの顔面を移植するワンビア。幸か不幸か走り屋の御用達だけにいずれも事故率が高く、中古パーツが豊富に存在したのも流行した理由だろう。しかし現在ではベース車両も中古パーツも枯渇し、それに比例して価格も異様な高値になっており、サーキットなどで見かける機会が減ってしまった。

ゼロヨン

グリップやドリフトと並ぶ走りのカテゴリー、ゼロヨンも最近ではあまり耳にすることがない。とはいえジャンルそのものが衰退したワケではなく、ドラッグと言い換えられることが多いように感じる。時代とともに埠頭などの非合法なストリートゼロヨンが減って、サーキットでの正式な競技へと移行したのが主な理由だろうか。

コーナーを攻めるR32

タックイン

テクニックでほぼ死語に近くなったのはタックイン。重量物がフロントに集中しているFF車はアンダーステアの傾向が強く、意図的にテールスライドを誘発して向きを変えるためのテクニックだ。以前はFF乗りなら必ず身に付けるべきテクニックと言われたが、近年はシャシーや足まわりに性能が劇的に高くなったおかげで、アンダーステア傾向が減りタックインを必要としなくなった。

どっかんターボ

最後はターボエンジンを搭載したクルマでブーストが急激に立ち上がったり、アクセルを踏んでから加速までの時間差が大きいことを指すどっかんターボ。制御する技術が発展途上だった時代がゆえの特性であり、最近はNAのように自然なフィーリングのターボが大半だ。当然ながらドライバーにとっては扱いにくいどっかんターボだが、それをねじ伏せて走らせるのがステータスになる時代でもあった。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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