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4億3000万円でも意外とお買い得!? ブガッティ「シロン」のオプション満載「ラ・メール・アルジェンテ」が継続販売中です

295万ユーロ(邦貨換算4億3070万円)で販売が継続しているブガッティ「シロン ラ・メール・アルジェンテ」(C)Courtesy of RM Sotheby's

「銀の海」を意味するシロンがオークションに出品

2024年1月31日、RMサザビーズがフランス・パリで開催したオークションにおいてブガッティ「シロン ラ・メール・アルジェンテ」が出品されました。ファクトリー・ラッピングされたポリッシュ仕上げのアロイでカスタマイズされたモデルは、2017年にブガッティの「アトリエ」(ブガッティでは本社工場をこう呼ぶ)からオーナーにデリバリーされたものです。詳細をお伝えします。

搭載エンジンは8Lの16気筒ターボ

フランスのブガッティ・オトモビル社が2016年に発表した500台の限定車、「シロン」の生産が終了した。驚くべきは前作のヴェイロンが、標準モデルともいえる300台のクーペと、それとは別に150台の生産計画を明らかにしたタルガトップ仕様のグランスポーツをあわせても、その生産に10年以上の時間を必要としたのに対して、シロンは500台の生産を2016年から8年にも満たない期間で終了していること。これはブガッティというブランドが、完全に超高級車、そしてハイパーカーの世界において資産価値として認められたことを意味している。

ヴェイロンと同様に、かつてブガッティをドライブし、レースで活躍したレーシング・ドライバー、ルイ・シロンの名を掲げるこのモデルをデザインしたのは、サシャ・セリパノフ。ランボルギーニ時代にはフィリッポ・ペリーニとともにウラカンのスタイリングにも関与した人物である。

ヴェイロンで実現されたボディサイドのCラインをさらに強調し、さらには馬蹄形のグリルやルーフからリアエンドにかけて流れるセンターラインなど、いずれも伝統的なモチーフとエアロダイナミクスの最適化のために採用されたデザインは、シロンの性能には必要不可欠だ。

搭載エンジンは8LのW型16気筒+4ターボで、最高出力は1500ps、最大トルクは1600Nmを発揮し、7速のDCTとハルデックス・カップリングによるセンターデフを介して、そのトルクは4輪に常時最適な比率で送られる。

基本構造体のモノコックはダラーラによるカーボン製。ベントレーもまた軽量化には積極的な姿勢を見せるが、スポーティであるだけではなく、エクスクルーシブなキャビンを必要とするだけに、車重は1995kgにも達している。

オプション装備を考えるとお買い得な1台だった?

そのブガッティ・シロンが、2024年のRMサザビーズによるパリ・オークションに出品された。ファクトリー・ラッピングされたポリッシュ仕上げのアロイでカスタマイズされたモデルは、2017年にブガッティの「アトリエ」(ブガッティでは本社工場をこう呼ぶ)からオーナーにデリバリーされたもの。ちなみにこのシロンに与えられた「ラ・メール・アルジェンテ」とは「銀の海」を意味するもの。まさにその車名がぴったりだと感じる1台だ。

オーナーは納車から2年後の2019年に、さらにシロン・スポーツのサスペンションと新デザインのホイール、そしてカーボン製アームのワイパーなどを含むパフォーマンス・パッケージをオーダーする。

最初に納車された3台のシロンにしか装着されなかったというデザインの馬蹄形グリルやサイドメッシュもミラーシャインに変更された。生産台数に限りがあり、また現代のハイパーカーとは比べ物にならないほど魅力的なブガッティ シロンが一般に公開される例は少ない。

2023年RMサザビーズは、同じパリ・サロンで特別仕様として製作した「シロン・プロフィリ」を、チャリティ・オークションに出品。870万ユーロ(邦貨換算約12億円)で落札させるという偉業を達成してみせたが、2024年のシロン・ラ・メール・アルジェンテではどのようなリザルトが記録されたのだろうか。

同社による予想落札価格は275万~350万ユーロ(邦貨換算約4億150万円~5億1100万円)。だが落札者は残念ながら現れず、295万ユーロ(同4億3070万円)で現在も販売が継続している。

参考までに2016年に発表された段階でのシロンのスタンダードな価格は240万ユーロ。4758kmを走行しているとはいえ、ここまでに紹介したさまざまなオプションを考えれば、意外にお買い得といえる1台なのかもしれない。もちろんそれだけの資金があれば、の話だが。

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