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「高価な車高調をいきなり入れてはダメ!」目的と予算に合わせたサスペンションの選び方とは? 今さら人には聞けない足まわりのグレードアップ術

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: AMW

  • ローダウンスプリング
  • スプリングでリフトアップするキット
  • 車高調整式サスペンションの装着イメージ
  • さらに性能を高められる、アフターパーツのニスモ製車高調整式サスペンションキット(オーリンズベース)
  • ブリッツの車高調整式サスペンション「DAMPER ZZ-R」。リア用ショートバンプラバーも付属して24万2000円(消費税込)
  • 30アルファードのエアサスカスタム
  • エアサスを組んだ30アルファードの足まわり
  • iPhone専用エアサス/アクティブサスリモートコントローラー:iPhoneに専用アプリをインストールし、アクティブサス搭載車の車高を自由自在にコントロールするキット。本体は7万5000円で車種別ハーネスは1万3000~2万5000円
  • 各社から多彩なラインアップが販売されている車高調整式サスペンション

チューニング基本講座 足まわり編

クルマのスタイリングにも走りにも大きな影響を与える足まわり。しかしスプリングに車高調にエアサスと手段は多岐にわたっており、カスタムのジャンルが違えば選ぶべきパーツも違ってくるはずです。楽しく充実したカーライフを手に入れるためにも、目的や予算に合わせたメニューを考えてみましょう。

機能と価格のバランスがいいのは車高調か

まずはドレスアップの場合。できるだけ予算を抑えるならローダウンスプリングの一択で、車高の調整こそできないが価格は2万円~と手ごろなのが嬉しい。昔はスプリングだけを交換すると乗り心地が悪化することもあったが、近年の製品は純正ダンパーとのマッチングもよく考えて設計されている。ダンパーが抜けているようなケースを除いては、快適性を大きくスポイルする可能性は低いだろう。

もっとローダウンしたい人や季節で車高を変えたいような人は、初めから車高調を買ったほうが工賃を含め二度手間にならない。多機能がゆえに価格はスプリングより高いものの、10万円を切るリーズナブルな製品もたくさんある。購入するときは車高の調整方法(一般的なネジ式か全長調整式か)や範囲、キャンバー調整ができるかや、オーバーホールの可否なども踏まえたうえで選ぼう。

予算に余裕があってより利便性を求めるならエアサスだ。文字どおり圧縮した空気の弾力を利用するサスペンションで、最大のメリットはリモコンなどで手軽に車高を上下できること。車高調はジャッキアップしてからタイヤを外す手間が必要で、ローダウンスプリングはそもそも調整することができない。エアサスなら普段はほどよいローダウン、イベント会場に着いたら限界まで落とし、帰るときはまた上げるとフレキシブルだ。ただし使い勝手がよく車高も極限まで下げられるだけに高価で、工賃や公認車検を含めて最低でも50万円~は必要だと思われる。

なおSUVなどでリフトアップするときも使うパーツはほぼ変わらない。

走りメインなら予算アップして車高調

続いて走りメインの場合。純正ダンパーが抜けていないことが前提なら、最初はローダウンスプリングもアリだろう。ただし車高は当然として減衰力の調整はできず、すぐに物足りなさを感じてしまう人も多いはず。それなら少し予算を増やして車高調を買うほうがいい。

ドレスアップ用と同じく価格帯は非常に幅広く、安いモノであれば10万円も出せば手に入る。サーキットを本気でタイムアタックしたいとか、レースに出場するのが前提という人はともかく、まずはリーズナブルな車高調の各機能を使い倒し、セッティングでどう変わるかを経験してみよう。

初心者のうちは高価な車高調を買っても使いこなせず、宝の持ち腐れになる可能性があることも覚えておきたい。車種によってはビルシュタインなど社外ダンパーを標準装備するグレードがあり、新車から外したほぼ未使用でコンディションのいい中古が市場に出ることもある。手に入れられるかはタイミング次第としか言えないが、純正のスタイルを崩さずに少しだけスポーティにしたいなら、インターネットや中古パーツ店で根気よく探してみよう。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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