鋳造と鍛造のちがい
次は製法について。オーソドックスなのは高温で溶かしたアルミを型に流し込んでから冷却する鋳造で、複雑なデザインが作りやすく大量生産ができコストも抑えられるのがメリット。対する鍛造はアルミに大きな圧力をかけながら成型する方法で、金属の密度が高まるため強度や耐久性でアドバンテージがあり、かつ軽くすることができスポーツ系のホイールで多く採用される。
ただしデザイン性や価格の面では不利。メーカーによっては溶かしたアルミを型に入れてから圧力を加え、強度/剛性/軽さとデザインの自由度を両立させた製法もある。
デザインの基本は4タイプ
最後は代表的なデザインについて。軽快な印象を与えるのは「スポーク」タイプで5本や6本など数の違いこそあれど、開口部を大きく取れるため放熱性に優れスポーツカーでは特に人気が高い。網目のようなデザインは「メッシュ」タイプと呼ばれ、足もとで繊細さや高級感をアピールしたい人にピッタリ。皿をイメージさせる平面を基調とした「ディッシュ」タイプは、力強く重厚なイメージで高級セダンやSUVなどによく似合う。
最初に挙げたスポークを細身にして数を増やしたのが「フィン」タイプで、繊細な印象を与えつつホイールを実際のサイズより大きく見せる効果もある。複数のデザインをミックスしたようなホイールも少なくないが、基本は上記4パターンのどれかに分類できると考えていい。同じホイールといえど構造/製法/デザインなどによって特性は大きく変わるので、自分のカーライフやカスタムの方向性をよく吟味したうえで選びたい。