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フォード「ブロンコ」が約2800万円で落札! 米国らしいカスタマイズは、初代「ジムニー」の外観に現行「ジムニーシエラ」の中身のようなもの

フォード「ブロンコ」が約2800万円で落札! 米国らしいカスタマイズは、初代「ジムニー」の外観に現行「ジムニーシエラ」の中身のようなもの

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 2023 Courtesy of RM Sotheby's

近代化改修が施されたブロンコ

2代目以降からのブロンコは大柄なSUVへ進化していったが、この初代は全長3863mm×全幅1772mm×全高1814mm、そして2336mmのホイールベース(1969年のカタログより)と比較的コンパクト。

100psを発生する排気量170立法インチ(約2.8L)直6エンジンに加え、オプションで156psの302立法インチ(約5L)V8エンジンも選べ、その取り回しの良いサイズのボディとも相まってオフロードでは高い機動力を発揮した。

一見すると完璧にレストアされた初代ブロンコなのだが、じつはこの出品車の中身は徹底的に近代化改修が施されている。テネシー州に拠点を置くアーリー・ブロンコの整備・レストアのスペシャリスト「キンサー・シャシー」のオリジナル・ラダーフレームに、エンジンも435psを発生する5L V型8気筒DOHC、最新のフォード・コヨーテ・エンジンを搭載。

トランスミッションも6速オートマチック、ウィルウッド製の4輪ディスクブレーキなど、現代の路上でも何の問題もなく過ごせる快適なドライビングのための多数の最新装備が投入されている。このブロンコはいわば、初代「ジムニー」のボディに現行「ジムニーシエラ」の中身を組み合わせたような、ハイパーマシーンなのである。

日本人にとっての40系「ランクル」のように、かの地では郷愁とともに語られるアイコンとしての意味合いもあるアーリー・ブロンコ。そのブロンコをクラシカルな外観はそのままに、最新最強のクロスカントリー4WDとして生まれ変わらせた出品車。19万400ドル(邦貨換算約2860万円)という価格で落札されたこの個体には、人々のアーリー・ブロンコへの想いと、カスタムカーの歴史と伝統、彼の地ならではのプラグマティズムなど、アメリカ自動車趣味の全てが詰まっていたのだ。

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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