HRS-Kに参加していた13歳の中学生がウィリアムズに加入
さてHRCの4輪活動は、スーパーフォーミュラやSUPER GTといった国内トップカテゴリーに加え、2023年からはスーパー耐久シリーズに4輪初のフルワークス体制で参戦を開始し、活動の幅を広げている。この活動に関して、琢磨選手はどのように考えているのだろうか。
「僕自身、スーパー耐久の具体的な関わり方はまだ何も決まっていません。ですがスーパー耐久は、参加型モータースポーツの原点になるカテゴリーと言いますか……クルマ好きの方たちの熱い想いを、存分に発揮できる舞台だと思っています。ここ数年、スーパー耐久に注目が集まっているのはとても嬉しいことです。この取り組みを無駄にしないで、より楽しいコンテンツを作っていけるようにしたいと思っています」
また2023年HRS-K(ホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿・カートクラス)に参加していた13歳の中学生女性ドライバー松井紗羅選手が、2024年1月末にF1の名門チーム「ウィリアムズ・レーシング」のドライバーアカデミーへ加入を果たした。松井選手は2023年末に開催されたHRS-Kの特別講習会で、現役F1ドライバーの角田裕毅選手と熱戦を披露。角田選手からのプレッシャーにも動じることなく、見事に勝利を飾った。
今シーズンはFIAカート選手権のOKジュニアクラスに参戦するほか、チャンピオンズ・オブ・ザ・フューチャー・アカデミーへ出場する予定となっている。プリンシパルとして彼女の活躍を見守ってきた琢磨選手は、彼女のウィリアムズ・アカデミー入りについて次のようにコメント。
「彼女は本当に研究熱心で、着実に力をつけてきたドライバーでしたから、世界のレーシングチームに認められる形になったのはとても嬉しいです。彼女自身もしばらくはヨーロッパで活動することを目標にしていますが、仮に日本へ帰ってくることになってもサポートはしていきたいです。彼女はまだ13歳ですし、ゆくゆくはフォーミュラカーに乗れる機会を作っていきたいと思います」
レーシングドライバーを目指して以降、ホンダと二人三脚で挑戦を続けてきた佐藤琢磨選手。エグゼクティブ・アドバイザーとして、HRCのモータースポーツ活動にどのような効果を生み出すのか。新たな挑戦が始まった。