日本上陸から11回目のシーズンを迎えるフォーミュラドリフトジャパン
2023年で10周年を迎えた「フォーミュラドリフトジャパン(FDJ)」。2023年シーズンはWRCチャンピオンのカッレ・ロバンぺラ選手がスポット参戦でいきなり優勝したほか、中学生ドライバーの箕輪大也選手が大活躍するなど大きな話題を呼びました。いったい2024年シーズンはどんな驚きを見せてくれるのでしょうか。AMWではFDJ代表の岩田和彦氏をはじめとした主要スタッフ陣にインタビューを敢行し、FDJの成り立ちから現在地点、そして目指す未来を聞いてみました。
海外でのドリフトの「プロ化」に衝撃を受けた
ドリフトはもともと日本のストリートから誕生した走行スタイルだ。やがてそれが世界に広まり、海外ではモータースポーツ競技として開催されるようになった。FDJ開催以前、日本のドリフト競技にエントラントとして参加していた岩田氏は、アメリカで開催されていたフォーミュラドリフトを見て衝撃を受けたそうだ。
「日本ではストリート発祥ということもあり、当時は社会や一般企業からの理解が得られにくい状況でした。しかし、アメリカやヨーロッパではプロスポーツとして確立されていて、きちんとモータースポーツの形になっていたんです。ドリフトを競技として確立して残したい。そうすれば次の世代へもつながるし、企業が応援しやすくなります。そんな思いから、アメリカのフォーミュラドリフトに長年かけて交渉をして、日本へと持ってくることができました」
プロのモータースポーツ競技であるために
FDJとしては「プロスポーツの競技として確立する」をコンセプトの支柱としていることがインタビューを通して終始伝わってきたが、具体的にはどのような取り組みをしているのだろうか?
「まずスポーティングレギュレーションやジャッジレギュレーション、車両規則など、競技結果にかかわることは全てホームページで公開していて、誰もが見られるようにしています。これで誰もが競技結果に納得ができるはずです。また、選手はアスリートであり、競技を常に育てていかなければならないという思いで運営しています。選手たちや各チームの立ち居振る舞いに関しても、スポーティングレギュレーションにしっかりと記載して、健全な競技運営を重視しています」
こう語ってくれた岩田代表は、さらにモータースポーツ競技として運営していくうえで、安全面にも徹底的にこだわっているという。
「車両規則の安全面に関しては特に厳格化しています。また、スタッフメンバーは、全国どのサーキットでも固定のメンバーにしています。たしかに現地スタッフを雇えば交通費が安く済みますが、信頼のおける固定スタッフで運営することにより、安全でスムーズな競技運営をすることができます。これはエントラントからの信頼を得ることにもつながると考えています」