ルート66ファンなら一度は泊まってほしい「ステージコーチ66」
広大なアメリカを東西2347マイル(3755km)にわたって結ぶ旧国道「ルート66」をこれまで5回往復した経験をもつ筆者が、ルート66の魅力を紹介しながらバーチャル・トリップへご案内。イリノイ州シカゴから西に向かい、見どころの多いアリゾナ州へ。今回は、ルート66復活の街として有名なセリグマンに来たらぜひ一度は泊まってほしいモーテルを紹介します。
セリグマン最大のモーテルは併設レストランのピザも美味!
偶然にも東日本大震災が起きた2011年3月11日に宿泊しており、言葉では表現できないほど支えてもらった「アリゾナのわが家」。ルート66再誕の街として名を知られるセリグマン、その東はずれにある「ステージコーチ66モーテル」だ。
私の恩人であり友人のリサがオーナーになったのは約20年前だが、その当時でも建設されてからは結構な歳月が経過していたらしい。ノルウェーからアメリカへ移住して来た彼女は、トラックのドライバーなどさまざまな職業で資金を作り、セリグマンでステージコーチ66モーテルを買い取った。しかし当時は屋根すらマトモにかかっていない廃墟に近い状態で、営業を再開するにはそれなりの費用と時間を費やしたという。
現在の部屋数は42とセリグマンでは最大の規模を誇り、半数が前回で紹介したリサの故郷であるノルウェーや、西部開拓時代などのテーマに沿ったスペシャル・ルーム。建物こそ昔のままだが室内はスタッフの手で清潔に保たれており、Wi-Fiや冷暖房といった快適装備も大手モーテルと同様にある。セリグマンは標高が1600mなので冬は当たり前に雪が降り、夏は30℃オーバーになり日差しもアリゾナらしく強烈。私はいずれの季節にも滞在しているが、室内で寒さや暑さに難儀した記憶はない。
また敷地内にはレストラン「ピザ・ジョイント」も営業中だ。もちろん看板メニューはピザで街の名を冠した「セリグマン」は、トッピングがたっぷり乗せられ18インチ(約46cm)のラージで23.95ドル。さすがに和食や中華料理こそないがメニューは豊富で、お酒のツマミになるリーズナブルな単品も充実している。