谷保天満宮の境内で激レアなWRCホモロゲーションカーに遭遇
オートモビル・クラブ・ジャパンが2023年12月10日に東京都国立市の谷保天満宮で開催した「谷保天満宮旧車祭」には、戦前車からスーパーカーまで約190台の名車が集まりました。そんな会場から今回は、かつてWRCのホモロゲーション用に海外で発売された超希少モデル、日産「240RS」のオーナーに話を聞いてみました。
シルビアをベースに約200台だけ生産されたグループBカー
谷保天満宮旧車祭の会場となった谷保天満宮の境内で、まず目についたのが白い日産「240RS」(BS110型)であった。240RSは、WRC(世界ラリー選手権)へ参戦するために開発されたホモロゲーションモデルで、1982年10月に海外で発売(日本では未発売)。ベースとなったのは3代目「シルビア」(S110型)だ。当時のグループB規定に基づく競技用車両として開発され、グループBの認定に必要な最低限の台数である200台あまりが生産されたといわれている。
1979年に登場した3代目シルビアや、その姉妹車として誕生した「ガゼール」はデートカーとしても使えたスポーツ&スペシャリティカーだが、240RSはモータースポーツで活躍するためにリリースされた武闘派のマシンであった。ちなみに、往時の日産を代表するスポーツ&スペシャリティカーであるシルビアは、3代目S110型の時代にスーパーシルエットレースにも参戦。こちらでは星野一義選手がドライブし、熱い走りでファンを魅了した。
「US110型ガゼール2000RSも所有しているのですが、ずっと240RSへの憧れがありました。そのような状況の中で、BS110型を紹介するホームページを運営していた方から海外での売り物件情報を教えてもらい、買うことができました」
そのように話してくれたオーナーの本間雅明さん(67歳)によると、1982年式の240RSを買ったのは16年前とのことで、現在の総走行距離は3万1000km。オーナーズミーティングをはじめとする各種イベントに参加する際に240RSへ乗っているそうだ。
1982年に新車購入したガゼール2000RSも愛し続ける
本間さんは1982年にガゼール2000RSを新車で購入し、間もなく240RSがデビュー。そちらにも憧れを抱き続けて、アジア某国で売りに出ていた240RSのコンディションを3枚の写真のみで判断し、購入してしまったのだった。
過去にSR311型「フェアレディ」やS130型「フェアレディZ」などを所有してきた本間さんは現在、240RSとガゼール2000RSにくわえて、1973年式のS30型フェアレディZも愛用している生粋の日産車ファン。
谷保天満宮旧車祭に参加したのは2回目で、近場のイベントなのでまだ出たい、とも話してくれたので、モータースポーツ用ホモロゲーションマシンの武骨なディテールを間近で確認したいファンは次回の谷保天満宮旧車祭で見学してみるといいだろう。