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新車購入から42年! 日産「フェアレディZターボ」の大きなトラブルはクラッチ交換のみ。「いまでも週1で必ず乗っています」

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)

  • 吉野和弘さんは、旧車の展示イベントのみならず、フェアレディZターボでクラシックカーラリーにも参加してきたアクティブなオーナーだ
  • 長いボンネットの先に丸型のヘッドライトが装着され、リアエンドにかけてゆるやかに傾斜していくルーフのラインなどがデザイン上の特徴だ。いま見ても本当にカッコいい
  • S130型フェアレディZは、1980年に国産車初のTバールーフ仕様もラインナップしたが、吉野さんはクローズドボディをチョイスした
  • ダットサンスポーツカークラブのオリジナルアイテムだったライトカバーを装備しているフロントマスクはスタイリッシュ
  • ターボモデルは価格面と税制上の両方で魅力的だったので、一躍人気車となった。L型エンジンを搭載しているフェアレディZはS130型が最後だ
  • 国内では初採用となる215/60R15というロープロファイルタイヤがターボモデルのZ-TとZ-Tバーに標準装備となった点も新車時のトピックだった。吉野さんの愛車は購入当初からサザンウェイの14インチホイールを履いている
  • 新車ワンオーナーなので、マフラーもご覧のようなコンディション。デザイン面では初代のキープコンセプトだったが、ターボエンジンを得たことでパフォーマンスは向上していた
  • ダッシュボードのセンターに鎮座する3連メーターなどに初代のイメージが残されたが、インテリア全体にスポーティさだけでなくラグジュアリーな雰囲気も加味された
  • リアゲートが大きく開くので、実用性が高い点も魅力のひとつ。吉野さんも使い勝手がいいフェアレディZ ターボを普段の街乗りに使用している
  • L20ET型ターボエンジンは、セドリック、グロリア、ローレル、スカイライン、レパードにも搭載された
  • ダットサンスポーツカークラブのオリジナルアイテムだったライトカバーを装備しているフロントマスクはスタイリッシュ

いまや見かけることの少なくなったS130型フェアレディZ

オートモビル・クラブ・ジャパンが2023年12月10日に東京都国立市の谷保天満宮で開催した「谷保天満宮旧車祭」には、戦前車からスーパーカーまで約190台の名車が集まりました。そんな会場から今回は、いまや希少な存在である日産の2代目S130型「フェアレディZターボ Z-T」のオーナーに話を聞いてみました。

S130の末期に短期間だけ販売されたターボ仕様

日本を代表するスポーツカーとして数多くのファンを獲得している日産「フェアレディZ」だが、初代のS30型や5代目Z33型以降のモデルに比べると、2代目S130型や3代目Z31型を見かける機会は少なくなっている。そんななか、谷保天満宮旧車祭において、S130型フェアレディZターボにずっと乗っているという大ベテランのオーナーがいたのでインタビューさせてもらった。

「フェアレディZは1978年に2代目のS130型にフルモデルチェンジしました。エンジンの排気量が2000ccのZと2800ccの280Zの2系統があり、エンジンはどちらもL型の直列6気筒でした。スタイリングは、伝統のロングノーズ・ショートデッキでしたが、ボディサイズが拡大され、室内スペースが広くなりました。2シーター、2 by 2とも使い勝手がよくなりましたね」

開口一番そのように話してくれた吉野和弘さん(67歳)がS130型を入手したのは1982年のことで、新車を購入したのだという。

「1982年10月に2000ccのZと280Zをベースとした、歴代フェアレディZ初となるターボエンジン仕様がそれぞれ日本と米国で登場し、次期モデルであるZ31型のデビューまで1年を切ったタイミングではありましたが大ヒットしました。日本市場に投入されたターボエンジンを搭載するフェアレディZは2000のZ、Z-L、Z-T、Z-Tバーで、当時25歳だった私はZ-Tをチョイス。スポーツカーが欲しくて買い、42年間乗っていたら、いつの間にか愛車がクラシックカーと呼ばれる存在になっていました」

42年間でクラッチ交換以外は大きなトラブルなし

日産「ジューク」を足グルマとして使いつつ、フェアレディZターボも週1で必ず乗っているそうだが、累計走行距離は5万9000kmで、その年式から考えると驚くべき低走行車なのであった。

「1982年に納車されたときのままで維持しているので、こういったイベントに参加することで新車時の姿を皆さんに見てもらっています。新車からワンオーナーでフェアレディZターボを所有しているのは、もう私ぐらいしかいないのかもしれませんね」

どうやって維持してきたのかが気になったので伺ってみたら、このように回答してくれた。

「車検が基本で、気になる部分はその都度整備してきました。エンジンがL型の直列6気筒なので、これは今でもなんとかなりますが、さすがに内外装のパーツはないです。以前は日産のプリンス店でメンテナンスしてくれました。わざわざ整備マニュアルを取り寄せ、分解する方法を調べながら作業してくれました。今お願いしているショップも、いろいろやりくりしながら、がんばってくれています」

クラッチがダメになり、1回だけ交換したそうだが、それ以外はこれといった大きなトラブルはなかったとのこと。今後も吉野さんのフェアレディZターボはイベント会場でギャラリーたちを1982年にタイムスリップさせてくれることだろう。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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