生産ラインにはBMW M1の文字も!
オリジナルのLP500プロトタイプは見事なほどボディラインが美しいクルマだったが、その後量産モデルとして誕生したLP400では恐らく相当に熱対策に悩んだのであろうか、ボディサイドに大きなNACAダクトが開き、サイドウィンドウ背後には巨大なエアインテークが開けられていた。
初めてサンタアガタのランボルギーニを訪れたのは確か1979年のこと。当時ランボルギーニを所有していたのはドイツ人のオーナーシップで、われわれを出迎えたのもドイツ人だった。残念ながら名前は憶えていない。
そして工場を案内してもらったが、ラインは3本。1本はカウンタック用。もう1本はウラッコだったかシルエットだったか。もう1本ラインの入り口付近にその名が書かれていたのはBMW M1であった。それについて案内してくれた人に尋ねてみると、「これはわれわれの願望です……」と答えてくれた。残念ながらその時点でBMWとの契約は破棄されていたはずで、M1はBMW自身が作ることになった。
というわけで工場内にはわずかな組み立て中のカウンタック以外にクルマはなく、一方で表のカープールにはおびただしい数のフィアット127ルスティカというモデル。なんでも食をつなぐためにランボルギーニでアッセンブリーされていたようである。
いずれにせよ、16年間にわたって作り続けられたカウンタックはランボルギーニの精神的支柱でもあって、このクルマの存在が後のランボルギーニ社の価値を引き上げ、紆余曲折を経てアウディ傘下で花開くことになるのだと思う。余談ながら生産型のモデルで初めてシザーズドアを採用したのもカウンタックであった。