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昭和のモテ装備といえば「サンルーフ」でキマリ…でも実はスモーカーが多かったから人気だった!? 現在は調光パノラマルーフが人気です

筆者がハワイで乗ったフェアレディZ 280Z Tバールーフ

空や風を感じながらのドライブ

昭和時代に流行したサンルーフやガラスルーフは、ドライブデートを最高に盛り上げてくれるモテ装備として欠かせないものでした。実際はどうだったのか、そのメリットやデメリットを解説しつつ、令和時代にもオススメの女子ウケ抜群な「調光マジック」が車内で披露できるガラスルーフを紹介します。

タフトのスカイフィールトップは標準装備

クルマの装備のひとつにサンルーフやガラスルーフがある。ルーフの一部が後方に電動でスライドして開閉できたり、チルトするのがサンルーフ。ルーフのガラス部分が開閉する、あるいはガラスが開閉せずルーフの一部となっているのがガラスルーフだ。かつては日産「フェアレディZ」やポンティアック「トランザム」などに採用されたTバールーフもあった(2枚のルーフを要脱着で開閉の手間はかかった)。いずれもオープンカーとは異なるものの、車内の解放感がアップし、空や風を感じながらのドライブが可能になる。

昭和の時代には、ドライブデートを最高に盛り上げてくれる、クルマのモテ装備として欠かせないものであったのだ。筆者はバート・レイノルズ主演の映画『トランザム7000』のTバールーフに憧れ、1981年式のフェアレディZ 280Z-T Tバールーフを買ってしまったほどで、ルーフが一部でも開くクルマは昭和女子に爆ウケしたことを経験済みだ。

大昔、夜の八ヶ岳高原道路を走っていたとき、サンルーフ(ボクの場合はTバールーフ)を開けていたら、満点の星空が頭上に広がり、プラネタリウムのような世界に浸れ、大感動したことがある。しかし、最近では、パノラマルーフとも呼ばれるガラスルーフ(ダークガラス)が主流。紫外線や熱をある程度、カットできるガラスが開発されたのがその理由だ。

サンルーフ、ガラスルーフを装着するメリットから紹介すると、ルーフの一部を開けることで、すでに説明したように車内の解放感が増し、空を眺めることもでき、換気がしやすくなる点だ。昭和のクルマでサンルーフがもてはやされたのは、付いている高級感に加え、換気の点でスモーカーが多かったからかもしれない。ガラスルーフに関しては、冬の寒さの中でも、晴れていれば温室効果で車内がポカポカ暖かくなるメリットもある。オープンカーまでは手が出せないものの、青空や星空を感じながらドライブしたいという人には悪くない装備と言っていい。

一方、サンルーフ、ガラスルーフは装着するデメリットも少なからずある。まずは10万円以上のオプション(一部車種では標準装備されることもある。ダイハツ タフトは全車ガラスルーフ=スカイフィールトップ)となる点だ。車両価格がそれなりに高ければ気にならないかもしれないが、比較的廉価な車両本体価格のクルマだと、オプション価格は支払い総額に大きく影響してしまう。

宝の持ち腐れにもなりかねない

サンルーフ、ガラスルーフを装着するとどうしても車内の天井部分に厚みが必要になり、室内高が低まってしまうことがある。トヨタ「ハリアー」の場合、室内高は標準ルーフが1215mmのところ、パノラマルーフ付きは1185mmになる。逆に、ホンダ「ヴェゼル」のパノラマルーフ装着車は室内高が非装着車に対して15mm増すのだが、これは例外だ。

また、ガラスや電動部品、補強部品などで車重が増し、僅かとはいえ燃費に影響することもないとはいえず、さらにガラスルーフの場合、冬にはありがたい温室効果が夏は車内の暑さに影響することもあり、夏はシェードを閉めっぱなし……という宝の持ち腐れにもなりかねないのである。

TBSのTVドラマ『不適切にもほどがある!』でも話題の昭和の時代なら、物珍しさからサンルーフ、Tバールーフはモテグルマの必須アイテムだったはずだが、美容を気にしすぎる現代の女子には「肌や髪にとって紫外線は大敵」という理由などで、あっても開けにくい事情もあったりするだろう。

令和でもイケてるガラスルーフ

ただし、令和の時代でも、イケてるガラスルーフがある。それが、トヨタ「ハリアー」が採用した調光パノラマルーフだ。調光ガラスそのものは2012年にメルセデス・ベンツ「SL」が採用しているが、国産車としてはハリアーがおそらく初めて。2枚のガラスの間に挟んだフィルムによって、瞬時に調光・透過が可能になる。

スイッチを押せば電動シェードが開き、調光パノラマルーフが透過(光を通す)状態になり、調光スイッチによって光を遮る調光状態(障子越しのような柔らかな光の透過になる)になるという魔法のようなガラスルーフなのだ。

紫外線99%、赤外線90%以上をカットしてくれるとともに、音声操作でも瞬時の調光・透過の切り替えができるのだから、これはもしかしたら令和のクルマの、女子ウケ抜群な「調光マジック」が車内で披露できる神器のひとつになるかも知れない。もっとも、”クルマでモテる”という時代は、残念ながら、とっくに終わっているんですけどね。

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