手間のかかる子ほどかわいい相棒
大阪のプロショップ「トライアル」が主催している『TRIAL Circuit Run(トライアルサーキットラン)』は、トヨタ86やホンダ インテグラ、BMWミニなど様々なクルマとサーキット走行を楽しむことができるイベントです。今回は、2023年4月5日に岡山国際サーキットで開催された「トライアルサーキットラン」の会場で気になったアバルトオーナーを紹介します。
走りを楽しむ方向にチューニング
2020年式のアバルト「595コンペティツィオーネ」を3年前に購入した川口晴久さん。ホワイトのボディに赤いストライプが映えるこちらを、川口さんはどうして愛車に迎え入れたのだろうか? まずはその経緯を聞いてみた。
「マニュアル車を探していたところ、トライアルさんでアバルトを勧められたんです。帰宅してからいろいろと調べたところ楽しそうなクルマだなと思って選びました」
アバルト595コンペティツィオーネは、2017年にマイナーチェンジが施され、前後バンパーの形状が変更されている。また、フロントバンパーのエアインテーク部分にはアバルトのワンメイクレース仕様車である「アセットコルセ」を思わせる「ABARTH」の浮き文字があしらわれ、スポーティな雰囲気はこうして強調されてもいる。エンジンは180psを発揮する1.4L 4気筒ターボだ。
川口さんの愛車を見ていくと、フロントバンパーには、トリコローレカラーのインサートスプリッターを装着。フォグライトカバーには赤い挿し色を入れているほか、リアのガーニッシュにも同様の処理を行っている。愛車のこだわりポイントについても聞いてみた。
「シートはベンチレーション付きが欲しかったので、RECAROのスポーツJCに交換しています。ほかに交換しているのは、HKSのVIITSサスペンション、DIVERTIインダクションキット、強化イグニションコイル、G-TECHインタークーラーとECUの書き換えを行っています」
走りを楽しむ方向にチューニングしている川口さん。今後はマフラーを交換し、アバルトのイベントに出向いたり、楽しくドライブをしたいとのこと。
続けて、川口さんは愛車との思い出深い話もしてくれた。
「ある日、高速道路を走行していると突如エンジンチェックランプが点灯してビックリしました。本来止まるべきですが、止まれない状況でしたので自走でショップに持ち込みました。原因は、O2センサーが悪さをしていたとのことで、工場で処置をしてもらいましたが、その後も何度かエンジンチェックランプが点灯しました。最終的にECUを書き換えて気にせず快適に乗れるようになりましたが、手間の掛かる子ほどカワイイなんて思っています」
距離を重ねるごとに免疫が付くではないが、いまではちょっとやそっとのトラブルですらカワイイと思える川口さんに「あなたにとってクルマとはなんですか?」と尋ねてみた。
「そうですね、相棒であり、いいオモチャですね」