自然で高級感あふれるフィーリングが好ましい
272psという最高出力は、このサイズのBEVには必要にして十分といえるだろう。じっさいにアクセルペダルを一気に踏み込めば、0-100km/hで5.3秒という爽快すぎる加速が得られるわけだし、個人的にはアクセルの踏み方によってガソリンエンジンのような、自然なパワーの出力が感じられることに好感が持てた。アクセルペダルのみで加減速に対応するワンペダルコントロールも、そのフィーリングはこのEX30でかなり良化したようだ。今回は試乗中のほとんどの時間でこの機能を体験したが、その進化には改めて驚かされた次第だ。また最大の航続距離は560kmを実現している。
サスペンションのセッティングはやや硬めの印象を受ける。試乗車にはオプションの20インチ径タイヤが装着されていたこともそのひとつの理由(標準は19インチ径)なのだろうが、細かいピッチングとともにこの乗り心地は、ドライブする人によって評価の分かれる部分だろう。もちろんそれはプレミアムブランド独特の、高級感と重厚感を感じるフットワークなのだが。
まもなく日本の街を走り出していくだろうEX30。559万円(消費税込)という価格もプレミアム・ブランドのそれ、というよりも、競合他車と比較しても十分に魅力的なものといえそうだ。