DIYで交換することも可能
新車時は問題ありませんが、時間が経過すると気になるのがエアコンのニオイです。とくに中古車は、事前に交換していることが少なく、いざエアコンのスイッチを入れると「クサっ!」っと思った経験をしたことがある方も多いかもしれません。ここではエアコンフィルターを交換するべき理由をお伝えします。
基本的にノーメンテはご法度
クルマが進化してよかったと思うもののひとつが、エアコンのニオイ。その昔は新車からしばらく経つとだいたいどんなクルマもニオイがしはじめて、どんどんひどくなるばかり。カビ臭い、湿気ったようななんとも言えない悪臭だった。
悪臭の原因は、エアコン内部にあって、インパネの中に入っているエボパレーターと呼ばれる部分に溜まったゴミ。その昔、内視カメラで覗いたところ、ゴミが山盛りになっていて驚いたことがある。これらが除湿した水分によって腐ったようになるからなおさらで、悪臭となるのも当たり前だった。
最近のクルマは悪臭がしなくなっているのは、エアコンフィルターの装着が進んでいるから。今や軽自動車にも付いているのでエアコンから悪臭が出ることはマレになっているし、さらにエアコン内部をクリーンに保つ装備として、プラズマクラスターやナノイーなども効果を発揮している。
エアコンフィルターは家庭用エアコンでフタを開けると付いているフィルターと同じ働きをしていて、付いていることで外気導入にした際、外部からのゴミやホコリ、枯れ葉などが入り込むことを防止する役割を持つ。ただし、それだけにノーメンテはご法度ともいえ、1年に1回は点検をして、汚れていたら交換するようにしたい。
クルマを使用している環境にもよるが、2〜3年でかなり黒く汚れてしまい、ここを通った空気を吸っているのかと思うとゾッとするほど。最近ではディーラーや修理工場も点検して、汚れていれば交換を勧めてくれるようになって、エアコンフィルターが付いていることも含めて認知度は上がってきてはいる。
ただ、その存在を知らない人も多いし、知っていても放置しているクルマもまだ多くて、長年熟成されたエアコンフィルターを見ると、こってりと溜まった汚れに驚くだろう。知り合いのクルマから外したエアコンフィルターの写真は、虫まで挟まっていて恐ろしいことになっていた。
エアコンフィルターが装着されている場所はグローブボックスの裏か、インパネの裏で、輸入車だとワイパーの付け根(外気導入の取入口)であったりする。いずれにしてもDIYで外したり、交換するのは簡単なのでぜひ定期的にチェックしてほしい。最近では活性炭入りで消臭効果があったり、除菌効果がプラスされているもの、PM2.5や花粉にも対応したものもあるので、交換する時は高機能タイプを選ぶのもいいだろう。ちなみにスタンダードなタイプだと高くはないので、ケチらずに交換してほしい。
まさにエアコンフィルター様々である。ただし、フィルターが対応しているのは外気導入がほとんどで、内気循環には対応していないし、フィルターの隙間から抜けた汚れがわずかとはいえ入り込んで悪臭の原因になることもある。そのために、プラズマクラスターなどが付いているのだが、フィルターを外したときは手が入る範囲で構わないので、汚れを拭き取るといいだろう。
さらに悪臭が出てきてしまったら、各メーカー、ディーラーでのエバポレーター洗浄サービスを行っていて、内部の汚れを落として抗菌剤でコートしてくれるのでオススメだ。最後にクルマを停める場所に気を配ることも大切で、枯れ葉が落ちてくる木の下などは避けたほうがいいだろう。