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車酔いしやすいクルマとそうでないクルマの違いは? パファーマンスダンパーで軽減できる!? 効果のほどは…

マツダCX-5の走り

マツダCX-5の走り

車酔いはクルマのせい? それともテクニック?

楽しいドライブも、同乗者がクルマに酔ってしまうと楽しむどころではなくなり、台無しになってしまいますね。でもクルマに乗ると酔ってしまうという人は、成人も子どもも問わず少なくないのが実情です。では、クルマに酔うのは、クルマ自体が問題なのか、運転手のドライビングの問題なのか、その原因について考えていきましょう。

やっぱり低重心がいい? ドイツ車は酔いにくい?

せっかくのドライブも、車酔いしたとしたら台無しだ。車酔いは先天的なものもあるだろうが、その原因を医師に聞いてみると、クルマの揺れ、振動、ノイズ、視界、そして筋肉と関節の刺激が、車酔いを誘発するという。具体的には、

「車酔いは人のメカニズムにある平衡感覚、三半規管によるもので、揺れ、振動、ノイズ、スピード、そして筋肉、関節への刺激が小脳に伝わり、走行中、それが目まぐるしく変化することで情報過多となり、脳に不快感を与え、自律神経に影響することで”動揺病”を引き起こし、車酔いを誘発する」

らしい。となると、まずはクルマの揺れが少ないクルマが、車酔いしにくいということになる。つまり、低重心で、前後左右の姿勢変化が少ないクルマ、例えば足まわりのしっかりとした上質な乗り心地を持つセダン、ワゴンなどがよさそうだ。

かつて、友人のひとりの子どもが「車酔いしやすくて困っている」と聞いたことがある。それまではふんわりとした乗り心地の国産ミニバンに乗っていたのだが、ある日、ドイツ製セダンに乗り換えたら、子どもが車酔いしにくくなった……という例もあったりする。

車酔い防止効果で賞を受賞したCX-5

とはいえ、車酔いはクルマのせいだけではなく、運転の仕方も大きく関わってくる。山道をグイグイ飛ばすような走り方をすれば、普通の運転で車酔いなどしなかった同乗者も車酔いすることがある。車酔いしにくい低重心かつ前後左右の姿勢変化の少ないクルマにスムーズな運転テクニックが加わってこそ、同乗者の車酔いを防げるということだ。

では、ミニバンや比較的重心の高いSUVだと、車酔いしやすくなるのか? と言えば、決してそうではない。例えば、マツダの「CX-5」などのSUVだ。マツダのクルマにはクルマの揺れ、安定性を高めてくれるベクタリングコントロールが備わっているが、その効果は走りだけでなく、車酔い防止にもあり、実際、ベクタリングコントロール付きのクルマに乗り換えたら車酔いしにくくなったという実例もあり、子どもの車酔い防止に効果があるとして、キッズデザイン大賞を受賞したことがあるほどだ。

一方、重心の高いミニバンはどうかと言えば、最新のホンダ「ステップワゴン」は後席の視界の作り方によって車酔いしにくい後席車内環境を実現しているというし、ミニバンでも足まわりのしっかりした姿勢変化の少ないクルマ、車酔いしにくい視界を持つクルマであれば、ミニバン=車酔いしやすいクルマにはならないこともある。

クルマを乗り換えられないならパフォーマンスダンパーを装着してみては

トルクベクタリングコントロールが付かないミニバン、車酔いにとくに配慮されていないミニバンなら諦めるしかないのか? いや、そんなことはない。筆者も以前、愛車で実践したのだが、トルクベクタリングコントロールに準じた効果を、非トルクベクタリングコントロール装着車でも実現できる方法として、パフォーマンスダンパーの装着がある。例えばヤマハ製のパフォーマンスダンパーが有名だが、VW「ゴルフ」のチューナーでも有名なCOXが、ヤマハ製パフォーマンスダンパーを車種専用ボディダンパーとしてVW車はもちろん、国産ミニバンにも対応するキットを発売している。

その効果はボディの振動吸収機能がメインで、特殊なダンパーを利用した減衰力機構によって車体性能と乗り心地を飛躍的に向上させ、人や犬の車酔いを軽減! する効果もあるらしい……と聞いて、高齢の愛犬を乗せてドライブする機会が多いわが家だけに、思い切って装着してみたわけだ。

COXによれば、子どもが車酔いして困るというボックス型ミニバンに乗っていたユーザーがボディダンパーを装着したところ、子どもが車酔いしにくくなったという報告もあるそうだ。劇的効果……とまではいかないかも知れないが、試してみる価値はあると思える。

なお、COXボディダンパーは、輸入車ではVW、BMW、ルノー、ミニ、テスラ、アバルト、ボルボの一部車種、国産車ではトヨタの「アルファード」などのミニバン、SUV、コンパクトカー、「86」など、三菱のほぼ全車、スズキ「スイフトスポーツ」、スバルのほぼ全車に幅広く対応している。

もっとも、すでに説明したように、基本的に車酔いしにくいクルマでも、荒い運転をすれば同乗者の車酔いを誘発。スムーズで丁寧な加速、減速、カーブの曲がり方などのやさしい運転テクニックが第一である。

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