小型EVとエネルギー産業の新たな関係
広島のスタートアップ企業KGモーターズとENEOSは2024年3月18日、開発中の超小型EV「ミニマムモビリティ」による持続可能な移動の実現に向けて、協業に関する覚書を締結しました。両社がパートナーシップを結んだ背景を解説します。
持続可能な社会の構築に貢献するため協業
今回、エネオスとの協業を発表したKGモーターズは、「モビリティの小型化による脱炭素社会の実現」を目指して、オリジナルの超小型EV「ミニマムモビリティ」の2025年量産販売を目標に開発しているスタートアップ企業だ。昨年はジャパンモビリティショー2023に出展したほか、大阪オートメッセ2023では人気車両コンテストで2位を受賞したこともあるなど、活躍がめざましい。
いっぽうエネオスは、グループの長期ビジョンにおいて「エネルギー・素材の安定供給」と「カーボンニュートラル社会の実現」の両立を掲げており、エネルギー供給にくわえ、カーボンニュートラル社会の実現に向けたモビリティおよび生活関連サービスをトータルで提供することを目指している。
2023年度に開催されたENEOSプラットフォームピッチイベントにおいて、KGモーターズがENEOS賞を受賞して以降、両社は協業に向けて検討を進めてきた。それぞれの強みを活かし合い、より持続可能な社会の構築に貢献するため協業に関する覚書を締結することになった。
次世代チョイ乗りモビリティ「ミニマムモビリティ」
ミニマムモビリティは、1人乗りセンターポジションで走る楽しさを追求した小型の電気自動車だ。1980年代のポラロイドカメラをモチーフにしたデザインが個性を放っている。レトロでありながら、近未来を感じさせる前後対称のフォルムが可愛らしい。小型で軽量であるため環境性能に優れている点が注目で、原付ミニカー規格で車検不要で税金も安く、コスパが抜群だ。楽しさ、気軽さ、エコを追求した次世代のチョイ乗りモビリティがコンセプトとなっている。
原付ミニカー規格のため乗車定員は1名となるが、ドア・エアコン付きなので二輪に比べて格段に快適な走行が実現する。AC100Vの家庭用コンセントで充電することができ、5時間の充電で航続距離は100kmも走れる。また、ソフトウェアはOTAアップデートが可能で、進化するモビリティを目指している点も見逃せない。