2028年までに全モデルをEV化
流麗なクーペ「グラントゥーリズモ」のオープンバージョンとなる「グランカブリオ」がイタリアで発表されました。ブランドのアイコンモデルともなる、ソフトトップを採用した4シーターオープン。電動化を進めるマセラティですが、まずはネットゥーノエンジンを搭載したトロフェオの登場です。
先代モデルとほぼ同サイズのオープンGTモデル
マセラティはイタリア・モデナにおいて2024年2月29日、グラントゥーリズモのオープンモデルとなるグランカブリオを発表した。マセラティにとってアイコンモデルとも言うべき4シーターオープンモデルは、先に登場したクーペと同様に“100%イタリア製”を謳うグランドツアラーだ。
グランカブリオは1959年のジュネーブショーで発表されたマセラティ初のロードゴーイングスポーツ(3500GT)のオープンモデル「3500GT スパイダー」を始祖とし、その系譜は60年以上に亘るという。ジョバンニ・ミケロッティがデザインしヴィニャーレが製作した「3500GT スパイダー」は“動く芸術品”とまで言われた1台であった。そして、21世紀にはピニンファリーナ によるグランカブリオが2009年に登場、2019年にはその生産を終了している。
ベースとなるクーペのグラントゥーリズモはBEV(電気自動車)のフォルゴーレと2種類の内燃機関モデルがラインアップされているが、並行して開発されたグランカブリオは、まず内燃機関のトップモデルであるトロフェオが登場した。ネットゥーノと名付けられた3L V6ターボを搭載、最高出力542hp/最大トルク650Nmを発揮する。ボディサイズは全長4966×全幅1957×全高1365mmと、先代となるグランカブリオより全長56mm、全幅47mmのプラスで、ほぼ同じ大きさとなる。
伝統と最新テクノロジーの融合
エクステリアはクーペ同様の最新ブランドデザインを用い、3Dの“トライデント”も備わるフロントマスクが特徴的。(イタリア語でボンネットとフェンダーを意味する言葉を組み合わせた)コファンゴと呼ばれる広いフロントセクションも特徴的なオープンスタイルは、プロポーションを強調したマセラティらしい流麗なスタイルに。“正統派イタリアンスタイル”に仕立てられている。また、ラグジュアリーモデルらしいソフトトップは5色を用意、開閉に要する時間は14秒、50km/hまでなら走行中でも開閉が可能となっている。
2+2シーターの室内は、「MC20」からはじまった最新ブランドデザインを受け継いだ。レザーやウッド、最新の素材を用いたイタリアのクラフトマンシップと、ディスプレイをはじめとする最新テクノロジーが融合。スイッチ類を廃しディスプレイに機能を集約した機能性も重視されている。もちろん、オープンエアのドライブも考慮されており、シートには首回りを暖めてくれるネックウォーマーを装備、(2名乗車時のみながら)車内での乱気流発生を抑えてくれるウインドストッパー(オプション)が用意された。
「マセラティの最も象徴的なモデルの伝統を受け継ぎながら、革新的な最新技術を取り入れ相反するものをバランスさせ、常に勇敢で現代的なラグジュアリーを実現した」というオープンモデル。2028年までに全モデルをEV化すると発表しているマセラティ、ネットゥーノエンジンを搭載した流麗なオープンGTを手にすることができる時間も限られている。