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スズキ「フロンテクーペ」が237万円! 50年前の軽自動車はジウジアーロ原案のマイクロスポーツカーでした

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)

  • 薄いブルーのボディカラーは純正色。オールペイント済なので、どのアングルから見てもキレイだ
  • マイクロスポーツカーと呼びたくなるスタイルは、ジウジアーロの原案をデザインし直したもの
  • 最上級グレードのGX-CFは、前輪ディスクブレーキやタンデムブレーキマスターシリンダーなどを装備
  • フロントマスクも精悍な印象。グリルに付けられたエンブレムの状態もいい
  • 前期型ならではの合わせホイールを装備しており、こういったディテールがオーナーを楽しませてくれる
  • 当初2シーターでデビューしたフロンテクーペは4人乗りの2+2を追加設定し、その後、2シーターを廃止した
  • 水冷2ストローク直列3気筒エンジンの最高出力は37psで、軽快な排気音を奏でてくれる
  • 排気量356ccの水冷2ストロークエンジンを搭載している。現車は3連キャブレター仕様のGX-CF
  • 一部を張り替えたというシートのコンディションも申し分ない。座り心地もいい。走行距離は6万4200km
  • フロントセクションもキレイで、丁寧に仕上げられたことを物語るパートのひとつだ
  • 取扱説明書をはじめとする各種印刷物が揃っているので、オーナーとなった人はいろいろ楽しめるはず
  • エクステリアだけでなく、インテリアの意匠もスポーティ。新しく製作したカーペットを装備
  • 1972年式のスズキ フロンテクーペGX-CF

ノスタルジック2デイズにオートサークルが出展していたフロンテクーペ

パシフィコ横浜で2024年2月17日~18日に開催された「ノスタルジック2デイズ」は、旧車や絶版車を主役とした一大モーターショー。全国的に有名なスペシャルショップ、パーツメーカー、レストアのスペシャリストなどが出展し、車両展示とともに限定グッズ販売なども行っていました。今回は、1971年にデビューした360cc時代の軽自動車、スズキ「フロンテクーペ」を紹介します。

ジウジアーロがデザインに関わった軽自動車

群馬県のオートサークルは、マニアックな名車&クラシックカーの販売専門店として自動車趣味人の間では高名な存在。今回のノスタルジック2デイズにもブースを出展しており、そこでAMW取材班の目を引いたクルマが、スズキ フロンテクーペ、グレードはGX-CFだった。

フロンテクーペは高性能化が進んだ軽自動車界にスズキが送り出したスタイリッシュなモデルで、最初期型が1971年に登場。そのプロポーションは、世界的に有名なインダストリアルデザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロが描いた原案をもとに、スズキ社内のスタッフがデザインし直したものだといわれており、マイクロスポーツカーと呼びたくなるカッコよさを誇っている。

最初期型は2シーターだったが、デビュー翌年に市場からの要望でリアシートを追加した2+2となり、今回のオートサークルの出展車は1972年式の4人乗り仕様だ。

ひと通りリフレッシュして237万円、すでに商談中

このフロンテクーペはオートサークルによると、稀少なクルマを見つけては仕上げることを使命としている先輩マニアから譲ってもらった個体だとのこと。

「足まわりを分解してやり直し、ブレーキも交換できるものは全部刷新。作業終了後に、しっかりテストドライブしています。ラジエターとヒーターコアはオーバーホール済み。シートは一部を張り替え、カーペットは新しく製作しています。ステアリングホイールは塗り直していますね」

そのように話してくれたスタッフの横にはオートサークルの福嶋代表がいたので、会場のプライスボードに提示されていた支払総額237万円(消費税込)はイベント特別価格なのか聞いてみたら、店頭表示支払総額も同じとのことだった。

程度がそこそこのモノを買って自費で仕上げると、すぐさま車両代とリセット費用の合計が300万円オーバーとなることは珍しくないので、随分リーズナブルなプライスだなと思っていたら、やはり同じことを思った人が多いようで、この原稿を書いている3月中旬の時点でオートサークルのウェブサイトではすでに商談中となっていた。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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