過去最高の数字を叩き出したランボルギーニ
2023年のランボルギーニは、営業面において完全勝利を達成したといってもいいほど好成績を残しました。そして驚くべき点は、その好調はいまだに続き、現在も2年分の生産数に相当する受注残を抱えているといいます。販売台数、売上高、営業利益、営業利益率のすべてで過去最高の数字を叩き出した、その記録をみていきます。
ランボルギーニ史上初の1万台超えを達成
2023年、ランボルギーニは歴史上初めて1万台のクルマをデリバリーした。正確には1万112台となるが、これは前年比9.5%増の過去最高の数字である。日本においても前年比10%増の628台を販売している。これも過去3番目に高い数字となる。2023年に発表された「レヴエルト」がまだ販売台数に貢献していないことを鑑みると、既存モデルの商品力がいかに高いかが分かる。
売上高は2022年を12.1%上回る26億6000万ユーロ、営業利益も2022年を17.8%上回る7億2千300万ユーロとなり、初めて7億ユーロを突破した。数字だけ聞いてもピンと来ないかもしれないが、利益率も過去最高の27.2%に達し、販売台数、売上高、営業利益、営業利益率のすべてで過去最高の数字を叩き出した。
ちなみに、同じグループに属する高級ブランドのベントレーも2023年は過去2番目の好成績を収めた。ベントレーの販売台数は1万3560台とランボルギーニより約3500台多いため、売上高こそ29億3800万ユーロと3億ユーロ近く上回るが、営業利益は5億8900万ユーロ、売上利益率は20.1%となり、ランボルギーニをわずかに下回る。
この数字からもランボルギーニが如何に収益性の高いブランドかが分かる。ランボルギーニの会長兼CEOであるステファン・ヴィンケルマン氏はこの結果についてこのようにコメントしている。
「ランボルギーニが採用した選択がすべて健全だったことを意味する」
健全な財務状況と強力な推進力
マネージングディレクター兼CFOであるパオロ・ポマ氏は、このようにコメントしている。
「2023年は27.2%の収益率を達成し、世界の主要なラグジュアリープレイヤーの一員として位置づけられる、前例のない財務および業績を再び記録した。堅調な受注残高とともに、将来を安心して見据えることができ、長期的な成長の次のステップを計画することができる。
電動化プログラムである“ディレツィオーネ・コル・タウリ戦略”の目標は、環境面でも財務面でも持続可能な道を歩むことで収益性を高め、すべてのステークホルダーに価値を創造することである」
2024年は、新型「ウルス」PHEVモデルや「ウラカン」後継車の発表などの重要な革新や、ランボルギーニの新型ハイブリッドレーシングカー「SC63」が世界の最も重要な耐久選手権で歴史的なデビューを飾る予定だ。
ウラカンやウルスなどの終了までを含む2年分の受注残と健全な財務状況、そしてSC63のチャレンジはこれから歩んでいく電動化への道の強力な推進力となることだろう。
AMWノミカタ
ランボルギーニにとって昨年は最高の年だったと言えるだろう。
「私たちの選択とビジョンが正しかった」
とヴィンケルマン氏はコメントしているが、今後導入される新開発のV12気筒エンジン+3モーターを搭載したレヴエルトも大ヒットの予感しかなく、今後もしばらくランボルギーニの好調は続くと見ていいだろう。