クルマ業界のダイバーシティを目指して
──現在NAPACに加盟しているJAOSは、NAPACに統合される以前の1990年代にはすでにASEAやJAWA、JASMAにも加盟していた経緯がある。サーキットを主戦場とするモータースポーツとは縁のないJAOSが加盟していたことは少し意外ではあるが、やはりメリットはあったのだろうか。また、今後はNAPACの一員としてどのような展望があるのだろうか。
「NAPACという傘のもとで3団体が一緒になっているので、いまは業界団体の1社として参画できればいいのかなと思って、2023年の総会以降はJAWAのみの加盟となりました。ホイールに関しては、やっぱりJAWAシールを貼っていると安心ですよね。自社の基準も相当厳しく設定しているのですが、第三者機関に見ていただくということは、襟を正すという意味でも非常に意義があります。また国土交通省に1社ではなくて1団体として認めていただいて、規制があったときにいち早く教えてもらったりとか、ユーザーの安心・安全を担保するうえで、NAPACに加盟していることは欠かせません。
これからNAPACで取り組むこととしては、NAPAC副会長 JAWA事業部長 田中知加氏に依頼されて、ドレスアップイベント委員会の理事として活動していく予定です。これまでのようにサーキットだけにこだわらず、アウトドアやSUVもブームなので、スーリーを展開している阿部商会さんなどとも一緒に盛り上げていこうと。たとえば、スーパー耐久24時間の冠をNAPACがやっています。そうしたレースに観戦にいらっしゃる方たちは、SUVに乗ってきてキャンプしながら観戦してることも多いんですね。なので、あえてサーキットにキャンピングカーを展示してみたらどうだろう、とか。あと、われわれはJAFEA(日本四輪駆動車用品協会)に加盟しているんですけど、そのJAFEAのイベントにNAPACの加盟企業が参加してみてはどうだろう、とか、現在模索しています」
──最後に、JAOSのモノづくりへのこだわりについて伺ってみた。
「四駆はニッチな業界です。そこで私の気概としては、この中でニッチトップになろう、突き抜けようということです。BAJA 1000も周りを見回して日本の企業は出ていません。アジアクロスカントリーラリーも参戦した当初は、やはり他の日本企業は出ていませんでした。
世界市場で見ると、まだまだ巨人たちがたくさんいます。そこで、まずは日本国内でしっかりやっていこうと思ってます。ご縁あって群馬に本社機能も移転しましたが、群馬県から世界へ発信していこうと考えています。グローバル基準で圧倒的な安心感や信頼感を持って提供できるパーツ作りを常に維持したいと思っています。
あとスタッフ全員が四駆乗りであるところが弊社の強みでしょうか。生粋のクルマ好き、生粋の四駆好きが集まっているプロ集団という自負があります。作り手の我々がまずはユーザーであるべきだと思いますね」