ドライバーが語る東京
さて2024年3月30日(土)には、ついにフォーミュラEが日本で初開催される。舞台となるのは東京・お台場で、有明地区に設置された全長2582kmの特設サーキットは低速コーナーと高速コーナーを3本のストレートでつなぎ、東京ビッグサイトをぐるりと取り囲んだレイアウトが特徴となっている。日産フォーミュラEチームのドライバーを務めるサッシャ・フェネストラズ選手は、東京E-Prixのコースの印象について、このように語る。
「一番の難所はセクター1で、ターン1やターン8では簡単にタイムを失ってしまうと思うので、アタックモードを使いながら、どのようにエネルギーをセーブするか……。しっかりマネジメントをする必要があります。またターン2ではジャンプする箇所があるので、コントロールを失いやすいでしょう。ハイスピードコーナーやシケインになるターン16も、非常にトリッキーです」
サッシャ選手のチームメイトを務めるオリバー・ローランド選手も、予選でのタイヤのウォームアップを含めて、非常にチャレンジングなレースになるという。さらに日産のチーフパワートレインエンジニアを務める西川直志氏に、フォーミュラEの見どころを聞いてみた。
「フォーミュラEはこれまでのモータースポーツとはまったく異なり、限られたエネルギーを効率的に使いながら、いかに速く走るかという両立が求められるカテゴリーです。そうしたドライバー間の駆け引きを想像しながら観るのがポイントなのですが、かなり上級者向けだと思います。
フォーミュラEは音がしないと言われがちですが、間近で見るとかなりの迫力ですし、電気自動車ならではのサウンドもかっこいいと思えるようになると思いますので、現地で観戦される方は注目してください」
2023-2024年シーズンは開幕3戦が終了し、ローランド選手が2度も3位表彰台を獲得するなど、好調の日産フォーミュラEチーム。母国レースでは、表彰台のてっぺんをつかみとってほしい。