タイヤの汚れを落としてから保管する
もうひとつはタイヤの汚れを落とすこと。スタッドレスタイヤは主に雪道で使われる性質上、塩化カルシウムの融雪剤が付着する可能性が高い。さらに油分もタイヤの劣化を早める可能性があるため、保管する前にブラシを使って入念に水洗いしておこう。ちなみに洗剤やワックスもタイヤを傷める成分が含まれている可能性があり、長期保管の前は水だけで洗うか洗剤が残らないよう徹底的に流す必要がある。
自宅にスペースがなく盗難が心配な人は、専門店による預かりサービスの利用がオススメだ。料金こそかかるがほぼ間違いなく屋内保管で、タイヤのプロが管理してくれるのは安心感が高い。近年はタイヤのプロショップだけに限らず、ディーラーや中古車販売店でも預りサービスを行っていることもある。
最後はスタッドレスタイヤの使用期限について。摩耗している場合を除き一般的に夏タイヤは約5年と言われるが、スタッドレスタイヤはもっと柔らかいゴムを使用しているため、3〜4年で本来の性能を発揮できなくなると考えたほうがいい。
摩耗のレベルに関しては基準がふたつあり、ひとつは夏タイヤと同じくスリップサイン。もうひとつは「プラットホーム」というトレッドに設けた段差で、それが露出した時点で新品から50%摩耗したことになり、スタッドレスタイヤとして使える限界に達したことを意味する。それ以降もスリップサインが出るまでは夏タイヤとして使用できるが、積雪路や凍結路ではまともにグリップせず事故に繋がる危険性が高く、当然ながら高速道路の冬タイヤ規制にも対応しないので早めに交換しよう。
スタッドレスタイヤの保管方法は夏タイヤと大きく変わらないが、経年劣化の早さや性能を発揮できる基準には小さくない差がある。少しでも冬タイヤとしての性能を維持できるよう、保管の場所や方法を改めてチェックしてみたい。