スカイラインは日本で最も良くできたGTでなければならない
というわけで、真っ赤なニスモ(92/1000)を借り受けて、いつものように東京〜京都をドライブした。
下半身だけゴテッとさせたセダンルックがもうすでにノスタルジックだ。SUVでは絶対こんな感じに見えてこない。やんちゃなおやじスタイルとでも言おうか。若い世代にはかえって新鮮に映るかも。私はアラカンのオッサンなのでかなり刺さります。マツダのクルマより激しい赤もこのスタイルには合っている。
コクピットの雰囲気も今となってはすでにクラシック。デビューしたときすでに「新しくないなー」と思ったデザイン、2周回って旧車好きに安心感を与えてくれるようになった。デジタルコクピットに慣れた方には一風変わって見えるだろうが、それもまた魅力だ。
走る。強烈な立ち上がりと中間域での分厚いトルクはアクセルひと踏みで400Rとの違いを実感させるに十分だ。やや過敏なくらいが過激なセダンキャラにマッチする。高回転域での「シャン」と回る感じも心地よい。
太いタイヤがしっかりと地面を掴む。ハードさと相まってボディ幅をナローに感じる。要するにドライバーにとっては昔のスカイラインセダンを思い出させる車体感覚だ。ドライバーの感じるボディサイズが34くらい、といえば分かりやすいか。とにかく車体の大きさを感じさせないので、ハコスカ感は400Rよりいっそう増している。
高速域では見事なGT(グラントゥーリズモ)だ。ライドフィールも快適で、安定感もある。センター付近であやふやなフィールがなく、安心してクルーズしていける。スカイラインは日本で最も良くできたGTでなければならない。
いつものワインディングロードで少し遊んでみた。GT-Rグレードを除けば、スカイライン史上もっとも速く楽しいセダンであることは間違いないと思った。