最後のMTモデルが登場
BMW M社が手掛けるハイパーフォーマンスモデル「M3」に150台限定の「M3 MT ファイナルエディション」が登場しました。ネーミングの通り、M3で最後のMTモデルとなる“貴重”なモデルです。注文数が上回った場合には抽選で2024年5月末までに当選者を決定するという特別なM3を紹介します。
初代のDTM初優勝35周年を記念した限定車
BMWは2024年3月、Mハイ・パフォーマンス・モデルのM3にマニュアル・トランスミッション(6速MT)を搭載した限定車「M3 MT ファイナルエディション」を発表した。国内で150台の限定となっており、注文数が上回った場合には抽選で2024年5月末までに当選者を決定するという。車両価格は1420万円(消費税込・以下同)。なお、ボディカラーはブラック・サファイア、Mブルックリン・グレー(メタリック)、アルピン・ホワイトを用意、各50台が販売されることとなっている。
BMW M社が開発する高性能モデル「M3」は、サーキットでの本格的な走行を可能とするMハイ・パフォーマンス・モデルながら、4ドアセダンとして日常での実用性も両立させた1台だ。限定車は1986年に登場した初代M3(E30型)が、1989年にDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)において初優勝を飾ってから35周年を記念して製作されるモデルであるという。
欧州で人気を博していたツーリングカーレース参戦を目的に、3シリーズをベースとして開発されたのが初代M3だ。1986年に、量産車とモータースポーツ仕様を並行して開発した、そのE30型のM3が登場。最高出力215psの2.3L直4エンジンに5速MTを組み合わせていた。現行モデルとなるG80型の6代目は2021年に登場し、M3初の4WD(xDrive)搭載モデルをラインアップしたほか、こちらもM3初となるツーリングが登場している。
カタログモデルにない右ハンドルのMT仕様
限定車の最大のポイントは通常ラインアップにはないマニュアル・トランスミッションを搭載した右ハンドル仕様であること。なお、現行ラインアップでMTモデルは、クーペであるM4のベーシックグレード(1358万円)のみ。M3は4WD(xDrive)を搭載し、さらにより高性能に仕立てたコンペティションのみがラインアップ(1424万円)されている。
また、DTM初優勝35周年を記念するモデルのため、ロベルト・ラバリアがドライブした当時の優勝マシンの特徴を細部に取り入れており、ホイールは初代のDTMマシンを彷彿とさせるゴールドの仕立て、ブレーキキャリパーはレッド。メリノレザーのMスポーツシートには優勝マシンからインスパイアしたレッドのアクセントが入る。
エクステリアにはBMWレーザーライト+ハイビームアシスト、カーボンルーフ、スポイラーなどがブラックとなるMハイグロスシャドウライン+Mハイグロス・シャドウライン・エクステンデッド・コンテンツを装備。特別装備として、アコースティックガラス、サンプロテクションガラスが備わった。インテリアにはスポーティなカーボントリムを採用、特別装備として専用ロゴ入りサイドシル、Harman/Kardonサラウンド・サウンドシステム、M Driveプロフェッショナルなどを採用している。
MTモデルはこれが最後となるM3。MTを操る歓びを、日常からサーキットまでこなすモータースポーツ直系の高性能4ドアセダンで味わえる最後のチャンスだ。