ホールマーク氏がCEOに任命
アストンマーティンの取締役会は、2024年10月1日以降に元ベントレーモーターズの会長兼CEOで超高級自動車業界のリーダーであるエイドリアン・ホールマーク氏をエグゼクティブ・ディレクターおよび最高経営責任者として迎え入れることを発表しました。この組織変更は、アストンマーティンにどんな狙いがあるのでしょうか?
業界関係者を驚かせたニュース
ベントレーからエイドリアン・ホールマーク会長兼CEOが去ると発表されたのち、アストンマーティンにエグゼクティブ・ディレクターおよび最高経営責任者として入社するというニュースは、業界関係者を驚かせた。
ホールマーク氏は61歳で、2018年からベントレーモーターズの会長兼最高経営責任者を務めた。アストンマーティンでは、エグゼクティブ・ディレクターおよび最高経営責任者という役職で加わる。ホールマーク氏は、ベントレー、ポルシェ、フォルクスワーゲンなどの企業、米国や欧州のほかアジアで25年以上にわたって自動車業界をリードしてきた。
アストンマーティンのエグゼクティブ・チェアマンであるローレンス・ストロール氏は、今回の就任について次のように述べている。
「エイドリアン・ホールマーク氏は、われわれのセグメントだけでなく、世界の自動車業界全体において最も優秀なリーダーです。彼はアストンマーティンに比類ない経験をもたらし、われわれの戦略を進展させ、勢いを継続させるでしょう」
ホールマーク氏がベントレーモーターズでCEOを務めている間に新しいラグジュアリーモデルが発表され、2030年までにベントレーを最も持続可能な高級車ブランドにするという目標「ビヨンド100」戦略が策定された。ホールマーク氏はこの戦略を元に、工場のカーボンニュートラル化、ダイバーシティ&インクルージョンの推進、人材育成、地域社会へのサポート、地球環境問題に対する対応とあらゆる方面でその手腕を発揮した。また、就任直後から右肩上がりに成長したベントレーの販売台数や、営業収益を見てもアストンマーティンが彼を招聘する充分な理由になるだろう。
AMWノミカタ
ホールマーク氏のアストンマーティンへの移籍のニュースは驚きであった。アストンマーティンにとってはとても良い話のように思える。ホールマーク氏主導のもと、ベントレーは過去にない好業績を達成している。セールスもマーケティングも、そして生産部門から管理部門まですべてにバランス良く目が行き届くホールマーク氏は、今のアストンマーティンには必要な人物なのだろう。ベントレーの創始者W.O.ベントレーは、アストンマーティンの前身であるラゴンダ社でDB2エンジンを設計した歴史がある。きっとアストンマーティンの愛好家たちも、この組織変更を快く受け入れてくれるのではないだろうか。