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筑波最速更新! 日産「GT-R NISMO」MY24が「59秒078」の量産車最速タイムを叩き出した裏側を全部見せます

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TEXT: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)  PHOTO: 木村博道(KIMURA Hiromichi)/小林 健(KOBAYASHI Takeshi)

  • 筑波最速記念撮影
  • 最終コーナーを駆け抜けるGT-R NISMO 2024年モデル
  • エンジンはNISMO専用セッティングなどで600psを誇る
  • GT-Rを速く走らせる基本はコーナーリングスピードを高めるのではなく、いかに素早く進行方向に向きを変えて、パワーを活かして直線的に走らせること(Vライン)。「MY24はより理想の走りに近づいた」と松田選手
  • 当日はR35開発責任者の川口氏、R35ブランドアンバサダーの田村氏以外にも実験、デザインなど開発に携わった多くの部署のスタッフが筑波サーキットに集合。わが子の卒業試験に立ち会った
  • 気温1.9度、路面温度0.4度というタイムアタックに最適な条件下でコースイン。新車外装音法規に対応するために開発された新構造マフラーの軽く澄んだサウンドが筑波サーキットに響き渡る
  • 日産自動車のGT-Rブランドアンバサダーを務める田村宏志氏がコースへ送り出す
  • 完全ノーマル車でのタイムアタックが基本だが、純正部品のまま誰もが同じ仕様にできる範囲のアライメントと空気圧の調整はOKとしている。松田選手の好みに合わせるため何度もセット
  • 2日目の2周目に59秒134を記録し、テストでマークしたタイムを更新したが、松田選手が納得できずにアタックを継続。そして、最後の1セットのタイヤで59秒078に到達し、プロの意地で更新した!
  • 最後の最後に出たスーパーラップにピット内は歓喜の嵐に包まれる。田村氏は記録達成に喜びを爆発させたが、すぐに重圧から解放された安堵感から思わず顔を手で覆った。チーム力で得た栄冠だ
  • 電光掲示板に輝く59秒078の表示
  • 開発陣など総出でテスト車両をケアした
  • 「市販車のタイムアタックは繊細さ、緻密さが要求され、スーパーGTマシンでタイムを出すより大変」と天を仰ぐ松田選手。クルマは決まっているが、各セクターをまとめ上げるのが難しい
  • 今回の量産車筑波サーキット・チャレンジに参加した日産自動車/住友ゴム工業・ダンロップタイヤスタッフとの記念撮影。記録更新に皆笑顔がはじけた。このタイムが筑波サーキットにおけるR35GT-Rのベンチマークとなっていく

市販車で58秒に迫るタイムを記録!

2024年1月10日、日産「GT-R NISMO」の2024年モデル(以下、MY24)が、4年前に2020年モデル(以下、MY20)で記録した筑波サーキット量産車最速タイムを更新しました。そのタイムは59秒078。1分切りが指標となる筑波で、フルノーマルの量産車で58秒台に迫ったのは驚異に値します。では、どのようにタイムを削り取ったのか? 再び金字塔を打ち立てたGT-R NISMOの速さの秘密を明らかにしましょう。

(初出:GT-R Magazine Vol.175)

自ら出したタイムの更新に挑戦

水野和敏氏がオールインワンの発想で開発したR35GT‒Rを、田村宏志氏が「GT」と「R」で異なる味付けを施し、がらりと方向性を転換してから11年が経過。開発責任者のバトンは川口隆志氏へ引き継がれたが、キャラクターの違いを明確に分ける考えは変わっていない。

グランドツーリング領域を受け持つ標準車は2021年に設定したTスペックの登場により、ロードカーとして欧州のプレミアムスポーツに肉薄するジェントルさを手にしたと高く評価された。

一方レーシング領域を受け持つNISMOの評価はどうだろうか。Tスペックを含む標準車なら進化を世界観で語ることも許されるが、NISMOは「速さ」という数字でそれを示さなくてはならない。なんといっても世界のスーパースポーツと対峙する国産最高性能車なのだから。

加えてMY24はエアロパーツを刷新し、トラクション性能向上のためにフロントLSDを標準装着。それにともない、アテーサE‒TSのプログラムも変更するなど、性能を磨き上げたとアナウンスされた。その効果はどうなのか? 新型モデルが出るたびに速さをキーワードとした話題に溢れるのはNISMOの宿命だ。

そんなMY24の卒業試験というべきタイムアタックが、2024年1月9日、10日の2日間にかけて茨城県・筑波サーキットで開催された。

筑波サーキットが選ばれたのはベンチマークとなる数字がしっかり残されていることが一番だ。ちなみにこれまでの量産車最速タイムは、2019年12月にGT‒R NISMO MY20が記録した59秒361。進化を実証するだけでなく、自らのタイムを塗り替えるためのチャレンジである。

ピットでの様子

オーナーが再現可能な、純正部品の範囲内でのアライメント調整とタイヤの空気圧の変更のみという、完全ノーマル車でチャレンジするという条件も同じ。

当日は量産車最速記録を達成したときとほぼ同じ開発メンバーが集結。筑波サーキットでタイムを削り取るノウハウを知るだけに心強い。また、ダンロップタイヤも万全のサポートを整えた。言い訳できない体制にドライバーの松田次生選手の重圧は相当なものだったと思う。

結果から言えば、残り1セットのタイヤで前回のタイムをコンマ283秒上まわる「59秒078」のスーパーラップを記録。目標としていた58秒台にはわずかに届かなかったものの、最高の結果を松田選手が腕でもぎ取った。まさにトップドライバーの面目躍如といったところ。

コンマ283秒と聞くとほんのわずかに感じるが、筑波サーキットではR35の全長の約2台分となる約9.8mの差がある。肉眼でもかなり開きがある距離だ。

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