バイクにまたがっただけで涙腺が緩んでしまった参加者も
公営競技の競輪とオートレースを統括する公益財団法人JKAの関連での開催かと思いきや、実はそうではなかった。今回のこの開催に際し、現場に入った平塚市の担当者から話を聞いた。ちなみに競輪場は平塚市の施設である。
「JKAとの関連はありますけど、実際のところは、SSPの青木さんから場所を探している、競輪場でイベントができないかという話を直接いただいたことがきっかけになりました。平塚市としましては、以前より競輪場活用推進事業として地域に開かれた親しみやすい競輪場を目指していて、本場開催や場外発売日以外の非開催日に限られますが、これまでもさまざまなイベントにこの場所を提供しています。今回の体験走行会は、大変素晴らしい社会貢献活動でありましたので、ぜひ使ってくださいということで、今日のこの日程での開催となりました。
実際に参加されている方はもちろん、ボランティアの方々を見ていて、とてもいい笑顔で参加していて、すごく良い活動だなと改めて思った次第です。また今回は市の障がい福祉課にも協力してもらい、平塚市内の障がい福祉事業所で作られたパンの出張販売も行いました。今日はあいにくの天気でしたが、これからも引き続き開催をしていっていただけたらと思っています」
体験走行会はまずバイクを操ることができるのか? を確認しながら進めていく。中型バイクにアウトリガーを装着した車両を使用し、最初はエンジンを掛けずにボランティアスタッフがバイクを押す。そこからまっすぐ走れるように練習をしたうえで、実際にエンジンを掛けて自身のアクセル&ブレーキ操作で走行を重ねていく。問題がなければ、補助輪がより浮いた状態のアウトリガーに交換して補助輪を地面につけることなく走行ができるところまで、1人50分ほどの時間で体験をしていく。
今回は脊椎損傷の2名、左上肢完全麻痺、そして視力障がいという4名のパラモトライダーが参加した。30年以上ぶりのバイクに前夜なかなか寝付けなかった参加者がおり、さらにバイクにまたがっただけで涙腺が緩んでしまった参加者がいたり、再びバイクに触れることになったことを純粋に喜ぶ姿が見られた。
いずれも次回以降の参加も希望しており、さらにステップアップを目指していくことになる。次回のパラモトライダー体験走行会は千葉県の袖ヶ浦フォレストレースウェイで2024年4月19日(金)に開催の予定だ。