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1420万円でフェラーリ「F355スパイダー」が落札! 特別仕様「セリエ フィオラーノ」でも予想より400万円も安かった理由は?

1420万円でフェラーリ「F355スパイダー」が落札! 特別仕様「セリエ フィオラーノ」でも予想より400万円も安かった理由は?

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TEXT: 山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)  PHOTO: 2023 Courtesy of RM Sotheby's

シリーズ最後に登場したスペシャルモデルとは

1999年までに販売面で大成功を収めたF355だけに、シリーズ最後にスペシャルモデルを発表しようというのも自然な成り行きである。今回マイアミ・オークションに出品された「セリエ フィオラーノ」は、F355スパイダーをベースに製作された特別仕様車で、フェラーリはトータルで104台(当初の計画は100台だった)を製作。そのうち100台は最大の輸出市場であるアメリカに向けてデリバリーされ、その内訳はF1マチック仕様が74台、6速MT仕様は26台だった。残りの4台はヨーロッパ向け(3台)と南アフリカ向け(1台)というのが詳細になる。

セリエ・スペチアーレに与えられた特別仕様で最も魅力的なものといえたのは、フィオラノ・ハンドリング・パッケージ(FHP)と呼ばれたスポーツ・サスペンションだった。ワンメイクレース用車両のF355コンペティツィオーネに由来するサスペンションキットは、可変ダンパーの制御プログラムの変更や、強化型スプリングを採用。前後のスタビライザーは標準の22mm & 17mmから24mm & 19mmに拡大するなど、実際に見て確認できるものだけでも、サーキット走行を楽しみたいオーナーには、その内容は魅力的に感じるものだろう。

さらにはリアのキャンバーは0.5度増加されるなどの専用アライメント設定や、チャレンジと共通のクイックレシオのステアリングギアボックス、ブレーキシステムもPHP独自のもの。ちなみにブレーキキャリパーはレッド、ゴールド、シルバーの3色から選択することができた。

ほかにもチャレンジ仕様のリアグリルや、インテリアではカーボンファイバー製のインサートやセンターコンソール、ドアシル、パドルシフト、スエード張りのステアリングホイールなど、さまざまな特別装備が満載された。

今回の出品車は100台のアメリカ向け車両のうち49番目に生産されたもので、走行距離がわずか2万1440kmというF1マチック仕様。ネロ(ブラック)・インテリアにアルジェント(シルバー系)・ニュルブルクリンクのエクステリア・カラーというコンビネーションも、落ち着きがあって好ましい。

参考までにRMサザビーズによる予想落札価格は12万5000〜17万5000ドル(約1860万円〜2610万円)だったが、落札価格は9万5200ドル(邦貨換算約1420万円)と振るわなかった。いわゆる特別な価値を持つクラシック以外は、フェラーリの価格もそろそろ落ち着きを見せ始めてきたということなのだろうか。

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