ドイツを代表するレーシングチーム
寒くなったり、春のような陽気になったり体調管理に気を遣う春先の今日この頃ですね。ポカポカ陽気から一気に冬の気候に急降下した2024年3月某日、友人がアウディのチューナーとして日本でも有名な「ABT(アプト)スポーツライン」へ行くということで、同伴してきました。
レース参戦で得たノウハウを注いだチューニングパーツが人気
ABTスポーツラインのレーシングチームとはサーキットでいつもお会いするのですが、本拠地へお邪魔するのは今回が初めて。私の住むドイツ・ミュンヘンからはクルマで1時間半程の距離で、近いようで微妙に遠いということもあり、訪れる機会がありませんでした。
ミュンヘンを出発したときは気温が3℃程で雪は降っていませんでしたが、道中では雪が積もっていている箇所もあってビックリしました。途中にはアルピナの所在地であるブーフローエも通り過ぎていきましたよ。
一面が畑という景色の中、アウトバーンからABTと記載された看板が見えてテンションが上がります。私の愛車は地元ミュンヘン企業のBMWなのですが、最後の最後までアウディ「S3カブリオレ」と「TTロードスター」も候補の内に入っていただけに、それらを見かけるといまも“欲しい!”という気持ちがちょっと沸いてしまいます。
ノーマルなアウディもスタイリッシュでとてもカッコいいのですが、ABTのチューンアップが施されたアウディはさらに上をいくデザインとハイパフォーマンスのパッケージが特徴です。アウトバーンで後続からこんなクルマが猛スピードで迫って来たらちょっと怖いかも?
日本でもコアなファンの方々にとても人気がありますよね。お値段はかなり高価で、庶民には簡単に手が出ないのが残念なところですが、誰もが所有できないだけに価値が高く、そしてそれを所有する歓びは何よりも高いステータス性を感じるところでしょうね。一度でもそんな気分を味わってみたいものです。
ABTといえば、主にDTM(ドイツツーリングカー選手権)の華々しい活躍で記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。モータースポーツを通して大きく成長した企業でもあるので、館内にはその記録を展示するミュージアムスペースがあったのがとても印象的でした。元は鍛冶屋さんから始まったABTですが、いまやアウディ好きな方でその名を知らない人はいないほどです。
話題のフォーミュラEに参戦する現役ドライバーの姿も
2024年3月30日に東京で初開催された「ABB FIA フォーミュラE世界選手権」で来日したのABTチームですが、取材したこの日はフォーミュラEのブラジル戦を控え、レーシングシミュレーターをドライブしにルーカス・ディ・グラッシ選手が来社。チームのご厚意で特別のシミュレーター室にも入れて見学させて頂きましたが、想像をはるかに上回る大きなもので、それに携わるエンジニアは5~6名もいらっしゃいました。
日本、それも東京・有明での初開催とあり、チームもルーカスもとても楽しみにしていました。早々にチケットは完売し、追加販売分もわずか1分足らずで売り切れたとか。私は年に数回はヨーロッパラウンドのフォーミュラEの取材に行っていますが、東京のような人気ぶりはこちらでは聞いたことがありませんので、その人気の高さは日本人としてとても誇らしい気分です。
ヨーロッパでは地元住民の方々の反対をはじめ、様々な理由で1回だけ開催されて撤退した都市がいくつもありますので、東京は2025年以降も存続して開催されることを望むばかりです。
電気自動車のレースに関しては賛否両論ありますが、街で見掛ける量販車の電気自動車とは全くの別次元のレベルです。また、実際にその走りを間近で観ると、テレビの画面では伝わらない迫力が満載で、それを日本のファンのみなさんもやっと間近でご覧になってくださるのを大変嬉しく思います。
残念ながらわが街ミュンヘンのBMWをはじめ、アウディとメルセデス・ベンツのドイツ御三家はすでにフォーミュラEから撤退しましたが、日産だけではなく、ポルシェとABTのドイツチームもぜひ応援してくださいね!
ひと通り館内を見学させて頂いた後には、これまたなんだかオシャレなバースペースでおいしいコーヒーをごちそうに。せっかくここまで来たのだからと、クルマで10分程のケンプテンの街へ足を延ばしましたが、平日ということもありひっそりとしていました。そのお陰で地元料理がおいしいレストランで、友人らとゆっくりと遅めのおいしいランチを楽しんで帰路に着きました。